ロックダウン中のICTの活用場面
前出の図3で見たように、アプリケーション別に見れば利用の程度に大きな差は出ているが、ユーザーにとっては、ロックダウンという特別な事態に対処するためにICTが大いに役立ったようだ。
エリクソンモビリティレポートによれば、ICTが役に立ったと回答したユーザーは83%にのぼり、具体的には図4のような場面でICTの恩恵を被ったと回答している。
図4 新型コロナウイルスによるロックダウン期間中にICTが役立った場面
日本におけるネットワーク利用状況
エリクソンモビリティレポートでは、新型コロナウイルス感染拡大に伴うグローバルでのICT利用の変化を知ることができるが、日本はどのような状況だったのだろうか。
総務省が2020年6月15日に開催した「ネットワーク中立性に関するワーキンググループ(第1回)」注11で配布された「資料1−6 新型コロナウイルス感染症の影響下におけるインターネットトラヒックの推移について」注12では、日本における2月〜6月の通信量の推移を、図5のようにまとめている。
図5 日本におけるインターネット通信量の推移(2020年3月以降)
図5のグラフは、3月の第3週〜6月の第2週の期間において、平日分(左側)は毎週水曜日、休日分(右側)は毎週日曜日のデータ量を時間帯に分けて示している。また、通信量の変化を確認するための参考値として、新型コロナウイルス感染の影響が軽微だった2月のデータも示されている。
同資料では、この変化について「テレワークや学習・余暇のための通信の利用増により、昼間の時間帯の通信量は大きく増加」と分析している。そのうえで、全般的な傾向として、2月下旬と比べて平日の昼間は2〜3割程度、休日の昼間で1〜2割程度の増加が見られる」としている。
さらに、5月25日の緊急事態宣言解除後の状況については「平日昼間の通信量は目に見えて減少しているが、新たな生活様式の定着により、以前の水準まで戻ることはないものと考えられる」と分析している。
▼ 注11
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/denkitsushin_shijo/02kiban04_04000272.html