日本における新型コロナ禍のICT活用状況
このような通信量の変化は何によって起きていたのだろうか。
〔1〕テレワークの実施状況
エリクソンモビリティレポートのような包括的なアンケート項目はないものの、内閣府が2020年6月21日に発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」注13に、その一端を垣間見ることができる。
この調査によると、COVID-19の影響下で経験した働き方として、
- テレワークをほぼ100%で実施した人が全体の10.5%
- 50%以上の割合でテレワークを行った、テレワーク中心の人が全体の11.0%
- ある程度テレワークを実施した人は20%程度
となっている。
〔2〕オンライン教育の利用状況
また、図6のオンライン教育の利用状況を見てみると、全国的にはオンライン教育を受けている子ども注14は45.1%と、半数以下であることがわかる。また地域別に見ると、東京都23区が69.2%と、もっとも割合が多く、都市圏から地方圏にいくにつれ、その割合が少なくなっていることがわかる。
図6の結果は、小学生など、比較的低年齢の学習者を含んだ対象へのアンケート結果となっているが、対象を大学生、大学院生に絞ると、通常どおりの授業をオンラインで受講した人が74.7%、一部の授業をオンラインで受講した人が20.7%と、合計で9割以上となっていた。
このように、日本でもある程度は生活や働き方のオンライン化が進んでいるものの、同調査における今後のテレワークの移行について、図7に示すアンケート結果を見てもわかるとおり、テレワークに積極的な人はあまり多くはないことがわかる。
▼ 注13
この調査は国内在住のインターネットパネル登録モニター1万128人を対象として5月25日〜6月5日に行われたもの。回答者の性別、年齢、地域は偏りがないように設計されている。
▼ 注14
この場合の「子ども」とは、「小学生以上で一番年齢の低い子ども」を指している。また、「オンライン教育を受けている」という回答に含まれるのは、学校の先生からのオンライン授業のほか、学校の先生からのオンライン上での学習指導(メール等)やオンライン教材の提供、そして塾や習い事での同等の経験も含まれている。