今後の課題:脱炭素化の視点や新規参入への課題も
容量市場初のオークションということもあり注目されたが、今回の結果から、いくつか課題も見えてきた。
現在、国際的にパリ協定の実現に向けて、地球温暖化対策(脱炭素化)への取り組みが活発化しているが、今回のオークションでは、脱炭素化の視点が明確でないところもあり、LNG・石炭・石油その他の比重が大きく、再エネの比率が低かった。
今後は、日本のCO2削減目標(2030年までに26%削減)を意識した入札が必要ではないだろうか。
また、今回のオークションの結果の落札価格が1万4,137円/kWと、指標価格の9,425円/kWの1.5倍(14,137円/kW÷9,425円/kW)の高価格になるなど、今後の入札方法の改善などの課題も見えてきた。
さらに、今回の約定総額は、1兆5,987億円(約1.6兆円)になったが、これは最終的に電気料金の形で回収され、再エネのFIT制度による賦課金(例えば2019年度は総額2.4兆円)と合わせると、需要家(消費者)への国民負担増になることが懸念される。
第2回以降のオークションでは、これらの課題解決とともに、新規参入の新電力等に配慮して、負担が少なく新しいビジネス機会を得られるようなオークションとなることを期待したい。