[クローズアップ]

2024年度の容量市場を見据えた第1回オークションの落札結果が公表!

― 約定総容量は1億6,769万kW、約定価格は1万4,137円/kW ―
2020/10/01
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

全国の電源等区分別の応札容量を見る

 今回のオークション結果から、全国の電源等の区分別の応札容量を見てみると、次のように整理できる(図3)。

  1. 火力などの安定電源:16,311万kW(94.8%)
  2. 水力・太陽光・風力などの1,000kW以上の変動電源(単独):451万kW(2.6%)
  3. 単体容量が1,000kW未満の水力・太陽光・風力などの変動電源(アグリゲート):24万kW(0.1%)、
  4. デマンドレスポンス(DR)などの発動指令電源:415万kW(2.4%)

という結果で、火力などの安定電源が群を抜いて1位であった。

 電源等の区分に関する用語解説は、表4に示す。

表4 電源等の区分に関する用語解説

表4 電源等の区分に関する用語解説

出所 電力広域的運営推進機関、「容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度:2024年度)」(2020年9月14日)をもとに編集部で作成

発電方式別の応札容量を見る

 図4は、今回の容量市場オークション結果から、発電方式別の応札容量を示したものである。

図4 全国の発電方式別の応札容量(左)※とその比率(右)

図4 全国の発電方式別の応札容量(左)※とその比率(右)

※電源等の区分のうち、安定電源と変動電源(単独)のみの発電別方式の応札容量とその比率を⽰している。
出所 電力広域的運営推進機関、「容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度:2024年度)」(2020年9月14日)を編集部で一部修正

 図4左に全国の発電方式別の応札容量注3を、図4右に全国の発電方式別の応札容量比率を示す。

 これらを整理すると次のようになる。

  1. 一般水力は1,331万kW(7.9%)
  2. 揚水注4発電は2,138万kW(12.8%)
  3. 石炭火力等注5は4,126万kW(24.6%)
  4. LNG火力は7,094万kW(42.3%)
  5. 石油火力その他注6は1,342万kW(8.0%)
  6. 原子力は704万kW(4.2%)
  7. その他再生可能エネルギー注7は29万kW(0.2%)

▼ 注3
電源等の区分のうち、安定電源と変動電源(単独)のみの発電別方式の応札容量とその比率を示している。

▼ 注4
揚水は、純揚水と混合揚水を合算。

▼ 注5
石炭火力等は、石炭とバイオマス混焼を合算。

▼ 注6
石油火力その他は、石油・LPG・歴青質混合物・その他ガスを合算。

▼ 注7
その他再生可能エネルギーは、太陽光・風力・地熱・バイオマス専焼・廃棄物を合算。

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...