【コラム】「EV」は「BEV」へ、表記統一が進む
電動車(EV:Electrified Vehicle)は、これまで各国やメーカーによって表記の違いがあったが、その統一が進んでいる。
図7に示すように、これまでの「EV」は「BEV」に、「HV」は「HEV」といったようになる。この表記の統一は、IEA(国際エネルギー機関)のレポート『Global EV Outlook 2021』などでも行われ、これに従って日本の自動車メーカーでも社内呼称の統一が進められている。
「電動車を世界に広く周知、普及していくために、こうした表記の統一は大事なことだと思います」と和田氏は語っている。ちなみに、各略称の正式名称は以下の通り。
なお、本記事も図7の表記に従って記載している(一部項目を除く)。
【電動各車の略称と正式名称(すべてに「EV」が付いていることに注意)】
- BEV:Battery Electric Vehicle、バッテリー搭載の電気自動車
- FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle、燃料電池による電気自動車
- PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle、外部充電機能を備えたハイブリッドな電気自動車
- HEV:Hybrid Electric Vehicle、ガソリンエンジンと蓄電池を搭載した電気自動車
図7 電動車の表記は国際的に統一が進められている
〔出典:「Global EV Outlook 2021」、IEA(国際エネルギー機関)〕
出所 「ゼロエミッション車に向かう世界の中の日本」メディア・ブリーフィング(2022年5月9日)、和田 憲一郎氏、「日本に於ける環境対応車の現状と将来」(株式会社日本電動化研究所)より
◎発表者プロフィール(敬称略)
和田 憲一郎(わだ けんいちろう)
株式会社日本電動化研究所 代表取締役
元三菱自動車 世界初の量産型電気自動車「i-MiEV」開発責任者。
1989年三菱自動車入社。2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の開発スタート後、MiEV商品開発プロジェクトのプロジェクト・マネージャーに就任。2009年の発売後はEV充電インフラビジネスを牽引した。2013年3月退社後、株式会社日本電動化研究所を設立し、Eモビリティ開発で培った経験・知見をベースに、モビリティ・エネルギー、家&街づくりをつなぐビジネスなど各界で活躍中。
井上 眞人(いのうえ まさと)
イタリア・トリノIAAD(Istituto d’Arte Applicata e Design)教授
元日産自動車 初代「日産リーフ」チーフ・デザイナー。
カリフォルニア・アートセンター(Art Center College of Design)卒業後、日産自動車先行デザイングループ チーフ・デザイナーとして、世界の自動車ショーで発表されるコンセプトカーのデザイン開発を統括。その後、世界初の大規模量産電気自動車となる日産LEAFのデザインダイレクターとなり、日産の電気自動車デザインなども統括。現在はイタリア・トリノの美術・デザイン大学であるIAADで、トランスポーテーション学科 教授。