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再エネ主力電源化時代! 知っておくべき基礎用語(4)「予備率」とは? 「需給ひっ迫警報」とは?

— 気候変動に伴う電力危機へのシグナル —
2022/09/09
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

気候変動の影響を受けて、2022年6月は東京エリアでも猛暑が続き、電力の需給ひっ迫が社会問題となり、「予備率」「需給ひっ迫注意報」「需給ひっ迫警報」などという用語が、様々なメディアでも取り上げられるようになった。
ここでは、予備率や需給ひっ迫警報について簡単に紹介する。また、各電力エリアの電力情報がリアルタイムにわかる「でんき予報」についても解説する。

予備率とは?

 「予備率」とは、「電力供給予備率」ともいわれ、電力のピーク時の需要(最大電力需要量。kW)に対して、電力の供給力(kW)にどの程度の余裕があるかを示す数値(指標)のことである。

 予備率は、次の式から計算される(小数点第2位を四捨五入して表示)。

 図1に示すように、予備率の数値が高いほど(図では8%以上)供給力は安定し余裕があることを示し、低いほど(図では3%未満)供給力は厳しくなり、マイナスの場合は供給力が不足していることを示す。

図1 電力の予備率のレベル:安定から非常に厳しい見通しまで

図1 電力の予備率のレベル:安定から非常に厳しい見通しまで

出所 資源エネルギー庁、「電力需給状況

 この予備率は、後述する資源エネルギー庁が発令する「電力需給ひっ迫注意報」や「電力需給ひっ迫警報」の指標にもなる数値である。予備率が3%を下回ると、停電などが起こる可能性があるからだ。

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