[ニュース]

愛媛県の松山みかんエナジー合同会社が、12MWの「松山蓄電所」を建設

四国初の大型蓄電所が登場!
2023/09/06
(水)

2023年8月に着工し、2025年商業運転開始予定

四国電力が出資する松山みかんエナジー合同会社(以下、松山みかんエナジー)は、愛媛県松山市に「松山蓄電所」を建設(図1、2023年8月着工)、2025年中の商業運転を目指している。同蓄電所は、四国電力株式会社(以下、四国電力)の松山太陽光発電所(出力:2,042kW:約2MWのメガソーラー)に隣接する場所に設置され、その定格出力は12MW、定格容量は35.8MWhだ。この規模の蓄電所としては四国初となる。

 松山みかんエナジーは、四国電力とエネルギー貯蔵インフラの「開発」「所有」「運営」を展開しているCHC Japan株式会社によって、蓄電池事業のために2023年6月に設立された事業会社。

図1 愛媛県松山市に建設される松山蓄電所の設置位置図

出所:四国電力株式会社ニュースリリース2023年6月14日、愛媛県松山市における蓄電池事業の実施に向けた事業会社の設立について

日立グループの系統用蓄電システムを採用

 松山蓄電所の建設にあたっては、電力系統や再エネ発電所などにつないで利用できる系統用蓄電システムが必要となるが、松山みかんエナジーでは日立エナジージャパン株式会社(以下、日立エナジー)の分散型エネルギー源向けグリッドエッジソリューション注1の1つである「e-mesh PowerStore」(図2)を採用している。

図2 「e-mesh PowerStore」の外観(写真左は一体型、右は各種モジュール)

出所 株式会社日立製作所Webサイト e-mesh PowerStore資料

急がれる再エネの主力電源化と蓄電施設の活用

現在、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入や活用が進められているが、日々の発電量や変動する需要への対応など、安定的な電力供給には課題が多い。その課題を解決し、再エネの主力電源化を果たす切り札として、松山蓄電所のような蓄電施設は各地で今後ますます必要となる。


注1:グリッドエッジソリューション(Grid-Edge Solution):電力系統(Grid)側と需要家側(Edge)に導入された太陽光発電や蓄電池などが接続される部分のソリューションのこと。「e-mesh PowerStore」は、ハードウェアシステムとソフトウェア技術を組み合わせたバッテリー蓄電システムで、分散型エネルギー源を監視・制御し、太陽光などの断続性による電力変動を低減したり、余剰電力を蓄電し必要な際に放電したりすることによって需給バランスを調整、系統安定化を支援する。今回の松山蓄電所ではシステムの設置や試運転に関して、日立エナジーのほか株式会社日立製作所、株式会社日立パワーソリューションズの日立グループ3社が共同で担当する。

参考サイト

愛媛県松山市における蓄電池事業の実施に向けた事業会社の設立について
四国電力株式会社ニュースリリース(2023年6月14日)

松山みかんエナジー合同会社からバッテリー蓄電システム e-mesh PowerStoreを活用した系統用蓄電システム一式を受注
株式会社日立製作所ニュースリリース(2023年8月7日)

 

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