環境省ガイドライン準拠の民間資格制度スタート
環境省では、すでに企業の脱炭素化に関する専門的な人材育成を目的とした「脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドライン」注1を公表していたが、9月26日、同ガイドラインに基づいた資格制度として、表に示す5つの「資格制度の名称」と「運営事業者」を認定した注2。この5つの資格制度はすでに各運営事業者によって運用されているものだが、環境省の認定日である2023年10月1日以降は、「環境省認定制度 脱炭素アドバイザー ベーシック」(後述)の資格制度となる。
表 認定を受けた資格制度の名称と参考Webページおよび申請者出所 環境省「脱炭素アドバイザー資格制度の認定資格の公表について」、2023年9月26日
脱炭素の知見を備えた人材を各界へ
企業が脱炭素化を進めるには、
(1)温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量の算定、削減目標の設定
(2)具体的な削減策の実施
(3)財務面を踏まえた設備投資の検討や経営方針への反映
(4)資金調達など専門的な知識や能力をもった人材
などが必要となる。
こうした人材を育成するための教育プログラムの基準として、環境省は、前述した脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドラインを3月31日に制定していた。今回発表された5つの資格制度は、このガイドラインに基づいて環境省が認定したもの(図)。
環境省は、これら資格を金融機関職員や経営コンサルタント、会計士・税理士、自治体・中小企業支援団体職員、事業法人の脱炭素担当者など幅広い分野の人材に新たに取得してもらい、各界で脱炭素の取り組みが加速することを期待している。
図 脱炭素アドバイザー資格制度 認定イメージ出所 環境省Webサイト「脱炭素アドバイザー資格の認定制度」
3レベルに分けて認定申請を受け付け中
この資格制度認定は次に示す3つのレベルに分かれている注3。
(1)脱炭素アドバイザー ベーシック
(2)脱炭素アドバイザー アドバンスト
(3)脱炭素シニアアドバイザー
今回認定された5つの資格制度はいずれも、(1)に示す「脱炭素アドバイザー ベーシック」で、基礎的な知見の習得を目的としたものだ。
その上位として、GHG排出量の計測方法などよって専門的な知見を身に付ける(2)「脱炭素アドバイザー アドバンスト」が、さらにコンサルティングなども行える(3)「脱炭素シニアアドバイザー」の各レベルが設定されている。後者2つのレベル(2)、(3)で認定された資格制度は未発表となっている。
環境省では、今回認定された新たな資格制度の申請を随時受け付けており、申請があればガイドラインに基づいて、順次審査を進めるとしている。
注1:環境省「脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドラインの公表について」、2023年3月31日
注2:環境省「脱炭素アドバイザー資格制度の認定資格の公表について」、2023年9月26日
注3:詳しくは、環境省「脱炭素アドバイザー資格制度認定事業の概要」の3ページを参照。
参考サイト
環境省「脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドラインの公表について」、2023年3月31日
環境省 報道発表資料 2023年09月26日、「脱炭素アドバイザー資格制度の認定資格の公表について」