[技術動向]

RFIDの基礎と最新動向(番外編2):「TRONSHOW2007」レポート

2006/12/21
(木)
SmartGridニューズレター編集部

本連載「RFIDの基礎と最新動向」では、2006年から各種産業分野で本格的な運用事例が目立ちはじめたRFIDの基礎から応用例、最新動向までを取り扱います。2006年12月5日~7日の3日間、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で、TRONSHOW2007が開催されました。TRONSHOWは、T-Engineフォーラム と社団法人トロン協会 が主催する展示会で、その名の通り坂村健東京大学教授が提唱したコンピュータ・アーキテクチャ「TRON」をテーマにしています。展示内容は、TRONを応用したユビキタス・コンピューティングや、TRONを組込みコンピューター技術に適用した「T-Engine」が、2本の柱となっています。今回は番外編として、ユビキタス・コンピューティングを支える要素技術である、RFIDを中心にTRONSHOW2007のハイライトを紹介します。

 

ユビキタス・コンピューティング国際シンポジウムとして

写真1 展示会受付付近

写真1 展示会受付付近

これまでのTRONSHOW は、ユビキタス・コンピューティングとT-Engineが、良くも悪くも混然とした状態でしたが、今回からユビキタス・コンピューティングの研究成果を披露する「ユビキタス・コンピューティング国際シンポジウム」と、T-Engineを中心に紹介する「次世代リアルタイムシステム技術展」に分けられました。

展示会場は、従来どおり同じフロアであるものの、受付側から見て左が次世代リアルタイムシステム技術展(赤色のイメージカラー)、右が次世代ユビキタス・コンピューティング国際シンポジウム(黄色のイメージカラー)に区別されました。

TRONSHOWが、自動認識総合展やIC CARD WORLDなど他の同種展示会と異なる点の1つとして、実用化レベルの違いを挙げることができます。後の2つが製品や製品に近い試作品が展示の中心になっているのに対し、TRONSHOWでは実証実験レベルの展示が多い傾向があります。しかし、実用化レベルの違いを優劣の尺度で比較するべきではないでしょう。

このほか、TRONSHOWと前後して、コンピュータによるハンディキャップサポート(障害者だけでなく、海外からの旅行者なども含む)を考える「TRONイネーブルウェアシンポジウム」(略称:TEPS2007)も開催されました。なお、TEPSでもRFIDを活用した試作品などが扱われることがあります。

次のページから出展ハイライトを紹介!

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