[特別レポート]

中国標準の3Gケータイ『TD-SCDMA』:北京オリンピックに向け、サービス開始目前

2008/02/06
(水)
SmartGridニューズレター編集部

≪3≫中国政府が強力にバックアップするTD-SCDMA開発の状況

ヨハン・プロス氏(Johan Pross、T3G CEO)
ヨハン・プロス氏
(Johan Pross、T3G CEO

次に、中国国内でTD-SCDMA携帯端末システムの開発供給を主導しているT3Gテクノロジー社CEOのヨハン・プロス氏(Johan Pross)が、「TD-SCDMA端末機器ならびにチップセットの開発動向の紹介」というテーマで語った。

まず、TD-SCDMAの基本技術をはじめ、中国国内の使用周波数帯の割り当て状況(図4)や、中国の主要10都市で行われたトライアルの状況(図5)を説明。長期的な開発目標図6や、オリンピックをターゲットにした開発フェーズ(図7)を示し、中国政府の協力なバックアップによってRITT(※)、MII(※)、NDRC(※)やTDIA(※)などの関連団体が協力し、TD-SCDMAの技術が発展していく状況を説明した。


図4 中国のTD-SCDMAの使用周波数の割り当て(T3G資料による)(クリックで拡大)


図5 10都市におけるTD-SCDMAのトライアル(T3G資料による)(クリックで拡大)
 
都市 事業者
北京(ペキン、Beijing) 中国移動
上海(シャンハイ、Shanghai) 中国移動
天津(テンシン、Tianjin) 中国移動
広州(コウシュウ、Guangzhou) 中国移動
深セン〔土・川〕(シンセン、Shenzhen) 中国移動
瀋陽(シンヨウ、Shenyang) 中国移動
廈門(アモイ、Xiamen) 中国移動
秦皇島(シンコウトウ、Qinhuangdao) 中国移動
保定(ホテイ、Baoding) 中国電信
青島(チンタオ、Qingdao) 中国網通

表 TD-SCDMAのトライアルを行った10都市と通信事業者(上図を元に編集部作成)


図6 各フェーズにおける市場要求の変化(T3G資料をもとに編集部で翻訳・作図)(クリックで拡大)


図7 オリンピックをターゲットにした端末の機能(T3G資料による)(クリックで拡大)

※ 用語解説
RITT:Research Institute of Telecommunications Transmission、中国電気通信伝送研究所

MII:Ministry of Information Industry、中国情報産業部

NDRC:National Development and Reform Commission、国家発展改革委員会

TDIA:TD-SCDMA Industrial Alliance、TD-SCDMA産業連合

COT:Customer Owned Tooling、顧客自身がEDAなどを利用して、自らカスタムLSIを設計する開発手法

EDA:Electronic Design Automation、電子機器、半導体など電気系の設計作業の支援ツール

Sharing-X:通信の途中で可能なVODサービス

MBMS:Multimedia Broadcast and Multicast Service、マルチメディア放送とマルチキャストサービス

DCD:Data Carrier Detect、データキャリア検出

PoC:Push to talk over Cellular、ボタンを押す操作によって複数の通話を切り替えることができる通話システムのプッシュトゥトーク(Push To Talk)を、携帯電話で実現するシステム。

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