てで始まるスマートグリッド用語
2014年10月29日 20:24
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低消費電力型PLC
- [Low-power-consumption type Power Line Communication]
- 読み方ていしょうひでんりょくがたピー・エル・シー
- 内容スマートグリッド向けの有線通信規格
具体的には、スマートグリッド向けの有線通信規格としてHomePlug GP、ITU-T G.hnem、ERDF-G3等がある。 (1)HomePlug GP(Green PHY)[→]HomePlug Powerlineアライアンスの規格は、高速版のPLC規格としてHomePlug AVをもつが、低消費電力型(低速PLC)に向けては新たに、HomePlug Green PHY(HomePlug GP[→])が策定されている。 (2)G.hnem[→](NB PLC) (1)のHomePlug GPに相当するITU-Tの規格が、G.hnem[→]である。 (3)ERDF-G3 (1)、(2)と類似した規格の、ERDF〔フランス電力公社(EDF)の子会社〕が開発したERDF-G3規格[→]。半導体企業の米Maxim社(本社:カリフォルニア州)と製品化をするとともに、国際標準を目指している。
デマンドレスポンス
- [Demand Response(DR)]
- 読み方-
- 内容電力需給の制御
需要家(電力の消費者:一般家庭等)側での電力消費を調整するように促すことによって、電力会社側の負荷を軽減し、最適な電力の需給バランスをとること。例えば、ピーク時に需要家の電力消費の抑制を促すことなどがこれに相当する。
電気事業法
- [Electric Utilities Industry Law]
- 読み方でんきじぎょうほう
- 内容でんきじぎょうほう
1964年(昭和39年)7月に、電気事業者を規制したり、監督したりする目的で施行された法律で、電気事業者の参入や料金、保安規制等について定められている。その後、電力規制緩和などに伴い、1995年12月に、電力供給の安定や効率化等を目的に大幅に改定され、施行された。ここで、保安規制とは、需要者が電気を安全かつ安心して使えるようにするために設けられた、電気設備に関する規制のこと。 〔最終改正:平成二三年八月三〇日法律第一〇九号〕 〔http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S39/S39HO170.html#1000000000001000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000〕
電気事業法の第一条
- -
- 読み方でんきじぎょうほうのだいいちじょう
- 内容電気事業の目的
この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。
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なお、東日本大震災後の2011年7月1日から実施された、東北電力および東京電力供給区域内の、契約電力500kW以上の事業所への15%の削減命令は、電気事業法第27条の「電気の使用制限等」に基づくものであった。電気事業法は、今後スマートグリッドを展開していく上で、重要な法律であることを認識させた。
電気自動車(EV)
- [Electric Vehicle]
- 読み方でんきじどうしゃ(イー・ブイ)
- 内容蓄電池の電力でモーターを駆動して走行する自動車
基本的に蓄電池の電力でモーターを駆動して走行する自動車。電気自動車は使用する蓄電池や実用レベルから世代分けすると、ほぼ次のようになる。
第1 世代:1990年代中ごろまで。鉛電池
第2 世代:2000年代初ころまで。ニッケル水素電池
第3 世代:2010以降。リチウムイオン電池
また、スマートグリッドの観点からみて、系統電力からの充電などを考慮すると、「広義の電気自動車」として、次のように2つに分類できる。
(1)電気自動車(EV):蓄電池の電力だけで走行する電気自動車。<例>三菱のi-MiEV(アイミーブ)、日産のLeaf(リーフ)
(2)プラグインハイブリッド車(PHV):エンジンと同程度の出力のモーターを搭載して電気による走行が可能なハイブリッド電気自動車。<例>トヨタのプリウス
電気自動車の充電方法
- [Charging for Electric Vehicles( EV)]
- 読み方でんきじどうしゃのじゅうでんほうほう
- 内容-
各国の電力事情が異なるため、電気自動車の充電方法については、統一されていない。一般的に、普通充電(交流:100V〜200V、充電時間:数時間)では交流方式が、急速充電(直流:約400V、充電時間:数分〜数十分)では直流方式が採用されている。また、車に搭載された蓄電池を充電するのではなく、着脱によって、電池を交換してしまう方式も検討されている。日本の電源電圧は、一般的な家庭用は通常の家電用には単相100V、高出力のエアコンや床暖房などでは単相200Vが用いられる。これら交流100V・200Vによって充電するのが、普通充電である。一方、日本では「CHAdeMO(チャデモ)協議会[→]」が規格化した急速充電方式がある。CHAdeMO方式の急速充電器は、送電電力の大きい業務用の三相200V入力、最大出力50(kW)の仕様となっている。例えば、三菱自動車工業の電気自動車「i-MIEV」(リチウムイオン二次電池)の場合は、次のような充電時間である。
(1)普通充電のケース:フル充電には、交流100Vで約14時間、交流200Vの場合で約7 時間かかる。(2)急速充電のケース:充電インフラには三相交流200Vを供給し、充電器から先は直流で供給する。約30分で80%まで充電可能(電池総電圧:直流330V)。直流で急速充電するため、電源電圧の異なる世界各国で使用できる利点がある。なおフル充電ではなく80%充電と表記する理由は、電池の状態に応じて電流を制御するため、充電率が高まるほど電流が抑えられてしまい、充電時間が長くなるからである)。
電力カラーリング
- [Electricity Coloring Technology]
- 読み方でんりょくカラーリング
- 内容再生可能エネルギーなどを優先的に使用できるようにする制御技術
スマートハウスなどで、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーによる電力や、電力会社から供給される系統電力など、複数の電力源を利用する場合、これらを区別(カラーリング)し、例えば再生可能エネルギーを優先的に使用できるようにする制御技術のこと。
電力保安通信(電力用通信網)
- [Electric Power Security Communication]
- 読み方でんりょくほあんつうしん(でんりょくようつうしんもう)
- 内容保安上必要な通信網のこと
日本の電力会社が、電気事業法に基づいて、電力設備を運用する際に、電力を安全に、しかも安定的/効率的に供給するために、保安上必要な通信網のこと。この電力保安通信は、利用用途によって、次の3つに大別される。
(1)電力設備保守管理用通信:電力設備の保守管理のための通信。電力の安定供給を維持するために必要な、保安用電話やダムの保守管理用の通信等がある。
(2)電力系統運用通信:電力系統設備の遠隔監視制御等に使われ、運用を効率的にするための通信。具体的には、給電指令電話などに使われる通信がある。
(3)電力系統保護用通信:電力系統に事故が発生した場合に、電力設備を保護し、系統全体への事故の波及を最小限に食い止めるために使われる通信等がある。
なお、電力保安通信は、通常、「電力用通信網」と同義として使われる。
電力系統
- [Electric Power System]
- 読み方でんりょくけいとう
- 内容電力システムのこと
電力会社の電力を、一般家庭やビル・工場などの需要家に供給するためには、「発電」「送電」「変電」「配電」などのシステムが必要となる。電力系統とは、これらを統合した電力システム(系統)のことを言う。
具体的には、次のような流れのイメージになる。
【発電】(10〜20kV)⇒ 【送電】/【変電】(500kV-154kV-66kV-2.2kV)
⇒ 【配電】(6600V/100〜200V)
電力は、電流×電圧(=電流×電流×抵抗)で表されるため、送電ケーブルで電力を送電する場合の電力損失(電力が送電線の抵抗で熱になってしまうこと)は、電流の2 乗に比例する。このため、電力を送る場合、発電所の発電時の電圧(10kV〜20kV 等)をできるだけ高く上げて送電(500kV/154kV 等)し、電流を少なくして送電する。このようにすると、電圧を低くしたまま大きな電流を流して送電する場合に比べて、送電の電力損失を大幅に減らすことができる。