北海道石狩市で相次ぎ稼働する「再エネ100%のデータセンター」: GMOインターネット等3社が新たに「DC in DC」型を開設

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2026年10月22日 (木曜) 17:12

オフィスビルに似た「データセンター in データセンター」運営

 GMOインターネット株式会社(以下、GMOインターネット)と東急不動産株式会社(以下、東急不動産)、株式会社ブロードバンドタワー(以下、ブロードバンドタワー)の3社が連携して北海道石狩市に建設していた、AI・脱炭素時代に向けた再生可能エネルギー(以下、再エネ)100%のデータセンター「石狩再エネデータセンター第1号」が、2026年8月1日に開設された。この第1号には、運営モデルに大きな特徴がある(表1)。 
 表1に見られるように、石狩市にはすでに以下のデータセンターが再エネ100%を掲げて稼働している。
 ・さくらインターネットの「石狩データセンター」
 ・京セラコミュニケーションシステム(以下、KCCS)の「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」
 さくらインターネットの「石狩データセンター」は生成AI向けの大規模GPU基盤の拠点として整備を進め、ZED石狩は主に自社の生成AI開発基盤として使する。この2施設は、ともに自社のサービスや事業と結びついた施設といえる。

オーナーが設備を整え事業者に貸し出す「DC in DC」型

 前出の2つのデータセンターに対して「石狩再エネデータセンター第1号」は、「データセンター in データセンター(DC in DC)」と呼ばれる形をとる。オフィスビルに似た運営モデルで、オーナーである東急不動産が建物と電気・空調などの大型設備、再エネ電力を用意し、6つのデータホール(サーバを設置する大部屋)を複数のデータセンター事業者に貸し出す。
 入居する事業者は、データホール内の設備だけを整えればよい。GMOインターネットのようなクラウド事業者が、拠点を追加しやすいモデルとなっている。

IOWNで東京・大手町と直結し、実用性能を高める

 通信面においては、GMOインターネット、東急不動産、ブロードバンドタワーの3社が、NTT東日本が提供するIOWN(アイオン。NTTグループが推進する次世代通信基盤構想)のAPN(All-Photonics Network、光電融合技術を使った全光ネットワーク)を活用し、東京・大手町と直結している。この石狩の地域資源とIOWNによる接続性を組み合わせることで、「環境性能」「事業継続性」「実用性能」を兼ね備えた高度なAI基盤を実現している。
 今後の生成AI需要の急速な拡大に伴い、地域の再エネ資源と先端通信技術を融合させた石狩モデルが、日本のGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進の新たな旗印として発展することが期待される。

表1 北海道石狩市における各社「再エネ100%データセンター」の比較

出所 各社のプレスリリースおよび報道資料をもとに編集部で作成

主な参考サイト

3社共通ニュースリリース、「GMOインターネット、東急不動産とブロードバンドタワーが担う、北海道・石狩の再エネ100%データセンターで『GMO GPUクラウド』の新拠点を開設~渋谷からGX最先端の石狩へ、2026年内の稼働開始を目指す~」
・GMOインターネット株式会社
・東急不動産株式会社
・株式会社ブロードバンドタワー

東急不動産 公式サイト
株式会社ブロードバンドタワー リリース(2025年11月28日)

■さくらインターネット
2010年6月21日報道資料
2023年6月14日「石狩データセンターのCO2排出量ゼロを実現」
2025年6月11日(コンテナ型データセンター、高火力 PHY H200)
2026年7月28日「石狩データセンターコンソーシアム(石狩DCC)の設立に参画」
2011年11月7日「国内最大級のバルーム型データセンターを開所」(PDF)

■ZED石狩
KCCS 自社リリース(2024年10月1日)
GPI・KCCS 基本合意書(2024年4月15日)

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