2015年6月10日、株式会社富士通研究所(以下:富士通研究所、神奈川県川崎市)は、次世代移動通信システム「5G」に向けて、ミリ波ビーム多重化によるマルチアクセスを実現したことを発表した。この技術によって、複数のユーザーが同時に大容量通信を行っても、速度低下を最小限に抑えることが可能となる。
従来、多数のユーザーが同時に通信すると互いの電波が干渉するため、時間や周波数を分割して使う必要があり、通信速度が低下するという課題があった。しかし、同社は今回、60GHzのミリ波帯において、複数のアンテナ素子を並べたアレーアンテナによるビーム形成時に発生する目的方向外の電波を従来の5分の1に低減する技術を開発した。
開発技術で細い電波ビームを多重化することで、多数のユーザーが同時に通信を行っても互いに干渉せず通信ができ、大容量通信時の速度低下を最小限に抑えることが可能となる。富士通研究所の社内実験では、4本のミリ波ビームを形成することで、12Gbpsの通信速度を実現することが確認されている。
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富士通研究所