2015年6月30日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO、神奈川県川崎市)は、大規模な洋上ウィンドファーム(風力発電システムを複数基配置した発電所)の導入を拡大するため、複数の洋上ウィンドファームから発電される電力を、複数の洋上変電所で集電・直流変換して、複数の陸上変電所へ送電する多端子直流送電システムの開発に着手したことを発表した(図参照)。
同事業の実施により、高い信頼性の獲得、かつ低コストな長距離送電が実現される。NEDOは大規模な洋上ウィンドファームの導入拡大に向けた基盤技術の確立を目指す。
図 多端子直流送電システムのイメージの図
多端子直流送電システムは、洋上に設置された複数のウィンドファームから発電される電力を、複数の洋上変電所で集電・直流変換して、複数の陸上変電所へ送電するシステムである。洋上変電所と陸上変電所の間や洋上変電所の間を、送電ロスが少ない直流で送電することにより、発電電力を効率的に長距離送電することができる。
多端子化することにより、大規模需要地から離れた風力発電適地に設置された複数のウィンドファームから発電される電力を、陸上変電所を新設することなく、既存の接続可能量の大きい系統へ効率的に送電することが可能になる。
NEDOは、同事業を通じて、高い信頼性を備え、かつ低コストで実現する多端子直流送電システムを開発し、今後の大規模な洋上風力発電の導入拡大・加速に向けた基盤技術を確立するとしている。
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