国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHIは2018年4月26日、水中浮遊式海流発電システムの実証試験を黒潮海域9カ所で1年以上にわたって実施すると発表した。NEDOとIHIは2017年8月に、鹿児島県十島村(としまむら)の離島、口之島(くちのしま)沖で海流発電システムの実証実験を実施し、発電システムが発電性能、安全性などの面で、想定通りの性能を発揮したと発表している(参考記事)。この結果を受けて、日本近海の黒潮海域で広く実施することになった。
図 口之島沖での実証実験に向けた準備作業の様子
出所 IHI
今回、実証実験を実施する海域は釜石市沖(岩手県)、粟島浦村沖(新潟県)、唐津市加部島沖(佐賀県)、五島市久賀島沖、五島市椛島沖、西海市江島・平島沖(長崎県)、十島村口之島・中之島周辺(鹿児島県)、久米島町(沖縄県)の6県8海域。NEDOは離島向け分散型電源として海流発電システムに大きな期待を寄せており、今回の実験はその実力を確かめるために実施するという。
実験対象の9海域はどれも大きなエネルギーを期待できる黒潮海域。黒潮の大きなエネルギーを利用して、海流発電システムがどれほど発電するか、安全に運転を続けられるか、コストの大きさなどを検証するために、1年以上にわたって実証実験を実施する。
この事業は、IHIがNEDO事業「水中浮遊式海流発電システム発電事業に係る実証試験」に応募し、採択を受けて実施するもの、事業期間は2018年度~2020年度。NEDOからは22億円の助成を受ける。