東芝は2016年11月4日、同社のグループ会社が中国国営の電力会社から水力発電設備を受注したと発表した。受注したのは中国において水力発電設備の製造、販売、保守を手がける東芝水電設備(杭州)有限公司(東芝水電)。発注者は、中国国営の四川岷江港航電開発有限責任公司。東芝水電は、出力55.6MWのバルブ式水車と水車発電設備を5セット受注し、2017年2月から納入を始める予定。
納入する水力発電設備は、長江の支流である岷江の流域に建設予定のチェンウェイ発電所で使用する。チェンウェイ発電所は落差が大きくない地点に建設予定となっているが、今回納入が決まったバルブ式水車は落差があまりない環境でも効率良く発電できるという特性を持つ。加えて、東芝水電の中国国内における納入実績と機器の信頼性が評価を受けて、同社のバルブ式水車の受注が決まった。
図 東芝のバルブ式水車の一部
出所 東芝
流量が大きい長大な河川が多く流れている中国では、水力発電を安定した量の電力を低コストで得られる「ベースロード電源」と位置づけている。近年の経済発展に伴う電力需要増大や環境汚染といった問題に対応するために、中国政府は水力発電による発電量を319GW(2015年)から、2020年までに380GWに増やす計画を立てている。
今回納入が決まった発電設備がすべて稼働を始めると、合計出力は278MWとなる。チェンウェイ発電所の運転開始は2020年11月にの予定。
■リンク
東芝