積水ハウスは2016年12月2日、愛知県名古屋市にZEH(Net Zero Energy House)の要件を満たす分譲マンションを建設すると発表した。住戸単位でZEHとなる日本初のマンションになる。2017年夏に着工し、2019年春に竣工となる予定。3階建てで12世帯を収容する。
図 ZEHマンションの完成予想図
出所 積水ハウス
新築戸建住宅では、ZEHとして建設する例が多くなっているが、屋根に十分な出力量の太陽光発電パネルを搭載する必要がある。戸建住宅に比べるとマンションなどの集合住宅は、集約している世帯数に対して屋根の面積が狭いため、十分な出力の太陽光発電パネルを設置できない。そのため、集合住宅のZEH化は難しいと考えられてきた。
積水ハウスは太陽光発電パネルの設置方法を工夫することで、1世帯あたりの出力を引き上げる。具体的には、太陽光発電パネルを水平に近い角度で設置することで、パネルによる影の面積を最小化した。こうして、ほぼ隙間なく太陽光発電パネルを設置することが可能となり、一般的な例に比べて太陽光発電パネルの設置枚数をおよそ20%引き上げた。
設置する太陽光発電パネルも、この設置方法に適したものを選んだ。太陽光発電パネルは太陽光を垂直に受けることで最高の性能を発揮する。そのため、一般的な例では太陽光発電パネルに角度を付けて設置する。今回は、水平に近い角度で設置しても十分な性能を発揮するパネルを選んだという。
この結果、屋根に設置した太陽光発電パネルの合計最大出力は約50kWとなった。収容世帯数である12で単純に除算すると4kWとなる。ただし、12の住戸にはそれぞれ大小があるので、販売時には住戸の大きさに応じて、太陽光発電パネルの出力を配分する。
屋根に太陽光発電パネルを設置するだけでなく、全世帯に家庭用燃料電池「エネファーム」を設置して、ガスから発電できる環境を整える。太陽光発電パネルと燃料電池は、停電時の備えにもなる。
発電設備を設置するだけでなく、住戸のエネルギー消費量を減らす工夫も加える。窓ガラスにはアルゴンガスを封入した複層ガラスを採用する。これで、窓や扉などの開口部の断熱性能が一般的なマンションに比べて2倍になる。壁に入れる断熱材も、一般的なものよりも断熱性能が高いものを選ぶ。さらに、照明にはLED照明を採用するなど、消費電力量が低い家電製品を設置し、HEMS(Home Energy Management System)も導入して消費電力量を制御する。以上の工夫で、住戸単位でZEHを達成する。
積水ハウスは、太陽光発電パネルなどの発電設備の性能が上がっていけば、より大きな規模の物件のZEH化も可能になると見ており、今後も可能な物件でZEH化を進めていくとしている。
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積水ハウス