インターネットイニシアティブ(IIJ)は2017年1月19日、高圧小口需要家向けスマートメーターに接続するゲートウェイ「SA-M1」を開発したと発表した。高圧スマートメーターとEthernetで接続し「Bルート」で通信する。SA-M1は、ECHONET Lite認証とAIF認証を取得済みだという。
現在IIJは、高圧スマートメーターのBルートから取得するデータをクラウドに蓄積し、グラフなどの見やすい形で表示する「IIJ高圧スマートメーターBルート活用サービス」を「トライアルプログラム」として提供しているが、現時点では汎用ゲートウェイをBルートに対応させたものを使っている。2月1日からは新開発のSA-M1をゲートウェイとして供給する。
SA-M1の特徴は3つ。1つ目は、高温あるいは低温となる環境に設置できるようになった点。現在IIJのが提供しているゲートウェイは屋内に設置することを想定したものだが、SA-M1は-20℃~60℃の環境で動作する。屋外にある高圧受電設備(キュービクル)や、計器を収納するプラスチック製の箱にも設置できる。
2つ目はLTE/3G通信モジュールを内蔵している点。現在IIJが提供しているゲートウェイは、外付けのLTE/3G通信モジュールをゲートウェイのUSB端子に接続してLTE通信機能を追加する形となっているが、SA-M1はモジュールを内蔵しているので、SIMカードを差し込めばLTE/3G網を通してインターネットに接続できる。SA-M1は、インターネットへの接続インタフェースとしてEthernetも備えている。
3つ目はデマンド制御の機能が加わった点。30分ごとの平均使用電力量(デマンド値)を推定し、事前に設定した値を超えないように空調や照明などの機器を制御する。SA-M1は機器を制御するための端子としてRS-485端子を備えており、ここにリモートI/O装置やPLC(Programmable Logic Controller)を接続することで、その先につながっている空調などを制御できる。しきい値を超えそうになったところで、クラウドに通知し、クラウドから管理者にメールを出すこともできる。また、クラウド側でデマンド制御することも可能。
図 SA-M1の供給を受けたユーザーはデマンド制御やメール通知などの機能を利用できるようになる
出所 インターネットイニシアティブ
SA-M1にデマンド制御の機能が加わったことで、IIJ高圧スマートメーターBルート活用サービスの一環としてデマンド制御のサービスを利用できるようになった。先述の通り、現在はトライアルプログラムの段階だが、4月には正式にサービス提供を開始する予定となっている。
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