恵那バッテリー電装は2017年1月26日、岐阜県中津川市が市内の坂下地区で運行するコミュニティバスの位置情報を発信する実証実験を開始すると発表した。実験期間は1月30日~3月31日。
この実証実験のために、恵那バッテリー電装はバスの位置情報をつかみ、発信するシステムを開発した。開発にあたっては、導入コストと運用コストをなるべく抑えるために、既存のものを極力活用した。恵那バッテリー電装が今回活用したのは、パイオニアが提供している業務用車両運行管理システム「ビークルアシスト」と、スマートフォンアプリで有名な「LINE」だ。
ビークルアシストは、パイオニアが指定するカーナビゲーションシステムを車両に搭載することで利用できる。車両に搭載したカーナビゲーションシステムは、NTTドコモの3G回線で位置情報をクラウド上のサーバーに送信する。パイオニアはこのサーバーから情報を取得するためのWeb APIを用意している。今回のシステムではこのWeb APIを利用して、車両の位置情報を取得して、LINEで発信するようにした。車両の位置情報を取得するため、コミュニティバスにビークルアシスト対応のカーナビゲーションシステムを搭載した。
図 パイオニアはビークルアシストで集まるデータを取得するためのWeb APIを提供している
出所 パイオニア
バス利用者は、LINEのトーク画面でコミュニティバスの現在位置を文字情報で受信できる。また、現在位置を知らせる吹き出しをタップすると、地図でコミュニティバスの現在位置を確認できる。バスの現在位置情報は15秒ごとに更新する。
図 コミュニティバスの位置情報をLINEのトーク画面で確認できる(左)。吹き出しをタップすると地図で確認することもできる(右)
出所 恵那バッテリー電装
実験が終了したら効果を検証し、利用者にとって有用と判断できたら、スクールバス、幼稚園の送迎バス、外国人観光客向けバス、ホテルや商業施設の送迎バスでの実験を実施することを検討するとしている。