General Motors(GM)と本田技研工業(ホンダ)は2017年1月31日、燃料電池量産に向けて合弁会社を設立した。新たに設立した会社の名前は「Fuel Cell System Manufacturing,LLC」で、GMとホンダが折半で出資する。投資総額は8500万ドルになるという。
図 発表会場ではGeneral MotorsのExecutive Vice PresidentでGlobal Product Developmentを担当するMark Reuss氏(左)と、ミシガン州副知事のBrian Calley氏(中)と、本田技研工業の専務執行役員で、ホンダノースアメリカ・インコーポレイテッドの取締役社長を務める神子柴寿昭氏(右)が手を握り合い、協力関係の強さをアピールした
出所 General Motors
新会社はミシガン州デトロイト市南部のブラウンズタウンにあるGMの工場に本拠を置く。この工場ではGMが、「Chevrolet Volt」「Malibu Hybrid」「Silverado eAssist」などの車種に向けたリチウムイオン充電池のパッケージを製造している。この工場内で燃料電池の量産を2020年ごろに始めることを計画している。
図 デトロイト市南部のブラウンズタウンにあるGMの工場。ここで燃料電池を量産する
出所 General Motors
GMとホンダは2013年7月から協業を始めており、共同で次世代燃料電池と水素貯蔵技術の開発を進めている。燃料電池車の課題の1つとして、車両価格が高いという課題がある。燃料電池車の中枢となる燃料電池と水素貯蔵技術を共同で開発することで、中枢部分の低価格化を目指している。GMとホンダは燃料電池関連の技術では、世界トップレベルの技術を保有している。2002年~2015年までに出願済みの燃料電池関連の特許件数は、GMが世界1位でホンダが世界3位となっている。取得した特許件数は両社を合計して2220件を超えるという。
今回設立した合弁会社は、GMとホンダに向けた燃料電池を生産する。両社に向けた燃料電池を1カ所で生産することで、部品供給ルートを共通化でき、量産効果も働く。この効果によって、開発と生産のコストが下がることも狙っている。また、燃料電池車普及に欠かせない水素ステーションの設置についても、両社は共同で自治体などに働きかけていくとしている。