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NEDOが大阪府内で産業用燃料電池の実証試験を実施へ、4000時間超の連続運転で信頼性などを評価

2017/03/31
(金)
SmartGridニューズレター編集部

NEDOは、産業用燃料電池の実証試験を大阪府内で実施すると発表した。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年3月29日、産業用燃料電池の実証試験を大阪府内で実施すると発表した。NEDOの助成を受けた日立造船が実施するもので、2017年度中の市場導入を見据えて、4000時間以上の連続運転に挑み、安全性や信頼性を確認する。

図 今回の実証試験に使用する産業用燃料電池。日立造船が開発製造した

図 今回の実証試験に使用する産業用燃料電池。日立造船が開発製造した

出所 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

今回の実証試験に使用する産業用燃料電池は日立造船が開発製造したもの。固体酸化物形燃料電池(SOFC)セルを内蔵したもので、メタンを主成分とする都市ガスを改質して水素を得て、その水素を燃料として駆動する。同社の築港工場(大阪市大正区)での試験を通過し、今回の実証試験に投入することになった。

実証試験では、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所(大阪府和泉市)と、花博記念公園鶴見緑地にある屋内植物園「咲くやこの花館」の2カ所に設置する予定。4000時間以上の連続運転などの検証を実施し、運用の容易さ、信頼性、安全性などを評価する。設置する燃料電池は「都市ガス13A」を燃料とし、最大で20kW程度の出力を発揮する。発電効率は50%に達する。本体の外形寸法は2200✕4300✕2800mm。

日立造船はスーパー、コンビニエンスストア、オフィスビル、病院、学校、集合住宅などの施設での利用を想定した産業用燃料電池を2017年度に市場投入する計画を立てている。施設の規模に応じて、出力が20kWのものから、数百kWのものまで、複数の製品を用意する予定だ。

図 日立造船が想定する、産業用燃料電池の利用イメージ

図 日立造船が想定する、産業用燃料電池の利用イメージ

出所 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

今回の実証試験で日立造船は、市場規模や採算などについて検討し、市場投入時期を決めると考えられる。また、燃料として都市ガスを利用するものだけでなく、バイオガスや純粋な水素を利用する製品の投入も視野に入れているという。


■リンク
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
日立造船

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