General Electric(GE)は2017年8月17日、オーストラリア・クイーンズランド州で計画中の風力発電所「Coopers Gap Wind Farm」に風力発電設備を供給すると発表した。この風力発電所は「Powering Australian Renewables Fund(PARF)」という基金が主体となって建設している。PARFはオーストラリアの電力会社であるAGL Energy社と、Queensland Investment社が出資して設立したもの、出資比率はAGL Energy社が20%で、Queensland Investment社が80%。Coopers Gap Wind Farmは2019年に商業運転開始を予定しており、その時点でオーストラリア最大の風力発電所となる。
Coopers Gap Wind Farmはオーストラリア・クイーンズランド州のクーランガという町に建設予定。クーランガはブリスベンから北西に250kmほどのところに位置している。元々、牛の放牧などに利用していた土地だ。
図 Coopers Gap Wind Farmの建設予定地
出所 AGL Energy社
GEはこの発電所に合計で123基の風力発電設備を設置する。そのうち91基は出力が3.6MW(3600kW)で、風車の直径が137mのものとなる。残りの32基は出力が3.8MW(3800kW)で、風車の直径は130mとなる。GEはさらに運転開始後25年間に渡って、風力発電設備の保守サービスを提供する。
図 GEの風力発電設備
出所 General Electric
発電所全体の最大出力は453MW(45万3000kW)となる予定。年間発電量はおよそ1.51TWh(15億1000万kWh)に達するとGEは見込んでいる。これは、オーストラリアの一般的な世帯の年間電力消費量にしておよそ26万世帯分に当たる。設備利用率を計算すると38%以上になる。2016年12月に日本の経済産業省は調達価格等算定委員会で、風力発電の設備利用率をおよそ24.8%と算出している。日本に比べるとかなり風況に恵まれた環境と言えるだろう。また、この風力発電所が稼働することで、年間で118万トンにCO2削減効果も期待できるとしている。
GEは、オーストラリアが風力発電の市場としては、アメリカに次いで世界第2位の規模があると見ている。GEもアメリカに次ぐ大規模な態勢で、オーストラリアの風力発電所建設の需要に応えており、今後も商機が見込めることから、投資を続ける姿勢を示している。
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General Electric