日産自動車は2016年10月25日、東京ビッグサイトで開催中の「東京モーターショー2017」(11月5日まで)で、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が低速で移動する時に、車両の存在を周囲に知らせる車両接近通報音「カント」を公開した。日産自動車は将来同社が発売するEVやPHEVなど電動車に、この音を発する機能を搭載していく予定を示している。
図 日産自動車が東京モーターショー2017で公開したEVのコンセプトカー「Nissan IMx」。このコンセプトカーを基にしたEVを市販する頃には、今回発表した車両接近通報音を発するようになっているかもしれない
出所 日産自動車
PHEVやハイブリッド車は低速移動時は無音で動く、完全にモーターで動くEVは、ほとんど音を発生させることなく走行する。ガソリンエンジン車ならエンジン音で周囲の歩行者などが車両の接近に気づくが、PHEVやハイブリッド車では、低速走行時に音を発することなく近づいてくる。歩行者などが気付かないため、事故につながると指摘する業界関係者も多い。
カントは、EV、PHEV、ハイブリッド車など電動車両が20km/h、あるいは30km/h以下の低速で走行している時に加速、減速、後退、それぞれの動きに合わせて音を発して、周囲に自動車の存在を気づかせる。日産自動車はこの音を歩行者だけでなく、地域住民、車の乗員にとって、自然で聴きやすい音にするよう配慮したとしている。
図 日産自動車が公開した車両接近通報音「カント」
出所 日産自動車
日産自動車は今回公開したカントを、各国の法規要件を満たすことを確認した上で、将来の電動車用の車両接近通知音として順次採用していくとしている。
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日産自動車