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Anheuser-Busch、Teslaの電動トレーラーを40台発注―ビール輸送の物流網に投入予定

2017/12/11
(月)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカのビール製造大手Anheuser-Buschは、Teslaの電動トレーラー「Tesla Semi」を40台発注したと発表した。

アメリカのビール製造大手Anheuser-Buschは2017年12月7日(アメリカ中部時間)、Teslaの電動トレーラー「Tesla Semi」を40台発注したと発表した。Anheuser-Buschは世界一の販売量を誇るビール「Budweiser」の製造販売元である。そしてTesla Semiは11月16日にTeslaが発表したもので、2019年からの製造と販売を予定している車両。今回のAnheuser-Buschの発注は、明らかになっている限りでは最大規模の発注となる。

図 Teslaの電動トレーラー「Tesla Semi」

図 Teslaの電動トレーラー「Tesla Semi」

出所 Anheuser-Busch

Anheuser-BuschがTesla Semiの発注を決めた理由は2点。1つ目は同社の業務全体で発生するCO2の削減。同社の親会社であるベルギーAnheuser-Busch InBevは2017年3月に、業務で消費する電力を2025年までにすべて再生可能エネルギー由来のものに転換することを発表した。合わせて、業務で発生するCO2の量を2025年までに30%減らす目標も掲げている。Tesla Semiを同社のビール物流網に投入することで、目標の達成がより確実なものになるとしている。

もう1つは、Tesla Semiが備える自動運転機能を利用して、道路交通網をより安全なものとし、トレーラーの運転手にかかる負担を軽減するという点にある。Anheuser-Buschは、同社のビール物流網をより効率良く運用することを目的として、さまざまな企業に投資し、一部の企業とは協業している。例えば電気トレーラーや燃料電池トレーラーを開発しているベンチャーであるNikolaと協力して、Anheuser-Buschの物流網に向けた燃料電池トレーラーの開発を進めている。また、物流車両追跡サービスを開発しているConvoyとは、運用中の物流車両の残り積載量を把握可能にするシステムを開発している。

Uber傘下のUber Advanced Technologies Groupとは、自動運転機能を備えたトレーラーを共同で開発している。2016年10月には、試作した自動運転トレーラーがコロラド州フォートコリンズにあるビール醸造所から、同州コロラドスプリングスにある販売拠点まで、5万1744本の缶に入ったBudweiserを運搬した。その際の走行距離はおよそ132マイル(約213km)にも及び、自動運転車両で市販向けビールを運搬した世界初の試みとなった。

動画 自動運転トレーラーが5万本以上のBudweiserを運搬した時の様子。走行中に運転手が運転席を外している場面を確認できる

出所 Uber Advanced Technologies Group

Anheuser-Buschは今後も、物流網をより安全で効率が良いものにしていくために、さまざまな企業との協業を進め、電気自動車、燃料電池車、自動運転車などの革新的技術を積極的に取り入れていく意向を示している。


■リンク
Anheuser-Busch(アクセス時に年齢確認が必要)

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