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福井県の化学工場がBloom Energyの大規模燃料電池を導入、契約電力の25%をまかなう

2018/01/25
(木)
SmartGridニューズレター編集部

Bloom Energy Japanは、業務用燃料電池「Bloom Energy Server」を第一稀元素化学工業株式会社の「福井工場」に納入し、運転を開始したと発表した。

Bloom Energy Japanは2018年1月25日、アメリカBloom Energyが開発、販売している業務用燃料電池「Bloom Energy Server」を第一稀元素化学工業株式会社の「福井工場」(福井県福井市)に納入し、運転を開始したと発表した。Bloom Energy Serverは、AppleAdobe SystemsやGoogle、FedEX、アメリカ航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)などが導入し、電源として活用している。Bloom Energyが公表している例に限っても、全世界で72の企業、行政機関、教育機関が導入している。

図 第一稀元素化学工業の福井工場に設置した業務用燃料電池「Bloom Energy Server」

図 第一稀元素化学工業の福井工場に設置した業務用燃料電池「Bloom Energy Server」

出所 Bloom Energy Japan

Bloom Energy Serverが搭載している燃料電池セルは「固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)。一般に、SOFCの発電効率は60%にもなる。Bloom Energy Serverの燃料電池セルはBloom Energyが独自開発したものであり、発電効率は60%を超える。日本でもSOFCセルを利用した住宅用燃料電池「エネファーム」が増えつつある。

第一稀元素化学工業の福井工場で稼働を始めたBloom Energy Serverの最大出力は250kW。メンテナンススペースも合わせた設置面積は約66m2。福井工場の契約電力の25%程度に当たる電力を24時間365日供給し続けるという。第一稀元素化学工業は、特に重要な設備の安定稼働につながると期待している。

福井工場には、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)の貯蔵タンクと気化施設があり、ここで気化した天然ガスをBloom Energy Serverの燃料として利用する。自前の燃料で施設内に設置した燃料電池で発電することで、停電のリスクを最小限に抑えることができる点もメリットの1つと言えるだろう。第一稀元素化学工業は、災害時の非常用電源としても利用することを想定している。Bloom Energy Japanは今後もBloom Energy Serverの導入を進めることで、災害に強い分散型電源を普及させていくとしている。


■リンク
第一稀元素化学工業
Bloom Energy Japan

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