フランスGE Renewable Energyは2018年3月1日(中央ヨーロッパ時間)、世界最大の出力を発揮する洋上風力発電設備「Haliade-X」を発表した。デンマークMHI Vestas Offshore Windが2017年6月に出力9.5MW(9500kW)の風力発電設備を「世界最大の出力を誇るもの」として発表しているが(参考記事)、Haliade-Xは1基当たりの最大出力が12MW(1万2000kW)となり、記録を塗り替えることになった。2021年の出荷開始を予定している。
図 GE Renewable Energyが発表した「Haliade-X」の設置イメージ
出所 GE Renewable Energy
Haliade-Xは全高260mで、風車の直径は220mに達する。1基当たりの年間発電量はおよそ67GWh(6700万kWh)で、世界の一般的な世帯の年間電力消費量にしておよそ1万6000世帯分になる。Haliade-Xで出力750MWの洋上風力発電所を建設すると、ヨーロッパの一般世帯100万世帯分の電力を発電するとしている。
GE Renewable Energyは、1基当たりの発電量が上がることで、洋上風力発電所に設置する発電設備の数が減り、建設時の初期投資も下がり、建設期間も短くなるとしている。さらに、建設後の保守運用も容易になり、風力発電所から得られる利益が大きくなり、結果として、発電した電力の価格も下がるとしている。
GE Renewable EnergyのCEOを務めるJérôme Pécresse氏は「世界の洋上風力発電所の合計出力が17GW(1700万kW)に達するまで20年かかったが、今後12年間で90GW(9000万kW)も加わるという予測がある。これは規模の経済と先端技術によって、発電コストが下がったためだろう。Haliade-Xは、GE Renewable Energyが今後、洋上風力発電に深く関わっていくことの証だ。この発電設備で、洋上風力発電の拡大を支援していく」とコメントしている。