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川崎重工業、Daimlerの「プラグイン燃料電池車」に部品を供給

2018/04/24
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

川崎重工業は、同社が開発した燃料電池車向け部品をドイツDaimlerが採用したと発表した。

川崎重工業は2018年4月23日、同社が開発した燃料電池車向け部品をドイツDaimlerが採用したと発表した。Dailmerは今回採用した部品を、今後発売予定のプラグイン燃料電池車「Mercedes-Benz GLC F-CELL」に採用する。Daimlerは2017年9月のフランクフルトモーターショー直前に、開発中の車両が走行している様子を公開し、2017年中の発売を目指してい開発を続けていた。この車種の最大の特徴は、内蔵のリチウムイオン蓄電池に電気自動車用充電器で充電できる点にある。一般的な燃料電池車は燃料電池で発電した電力のみを蓄電池に充電して、モーターの電源として利用する。しかし、現時点では水素ステーションはまだまだ少ないと言わざるを得ない。「Mercedes-Benz GLC F-CELL」なら、燃料である水素が切れても、充電を繰り返して水素ステーションにたどり着けるわけだ。

図 「Mercedes-Benz GLC F-CELL」は、電気自動車のように内蔵リチウムイオン蓄電池に充電できる

図 「Mercedes-Benz GLC F-CELL」は、電気自動車のように内蔵リチウムイオン蓄電池に充電できる

出所 Dailmer

Daimlerが採用した部品は、「高圧水素減圧弁」。Daimlerの子会社であるドイツNuCellSysと共同開発したもの。およそ700気圧という超高圧でタンク詰まっている水素を受け、燃料電池スタックで利用できる圧力まで下げる部品だ。川崎重工業が長年に分かって培ってきた流体制御技術を駆使し、NuCellSysの燃料電池システムに関するノウハウを融合させて製品化した。この部品は20年相当の耐久性試験に合格するほどの信頼性を確保している。

図 Dailmerに納入する「高圧水素減圧弁」

図 Dailmerに納入する「高圧水素減圧弁」

出所 Dailmer

川崎重工業は、水素関連事業を成長事業の1つと位置づけており、Daimlerによる製品採用は大きな一歩になるとしている。今後は、Daimlerへの高圧水素減圧弁の安定供給体制を作り、水素利用拡大を目指した新製品や新サービスの開発に取り組むとしている。


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川崎重工業

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