Daimlerは2018年5月14日(中央ヨーロッパ時間)、ドイツ国内にあるMercedes-Benzブランドの工場で2022年から電力による二酸化炭素排出をゼロにすると発表した。現在、ドイツ国内のMercedes-Benzブランドの工場は、シュトゥットガルトのDaimler本社そばのウンターテュルクハイムに加えて、カーメンツ、ケレダ、ジンデルフィンゲン、ハンブルグ、ブレーメン、ベルリン、ラシュタットの合計8カ所にあり、それぞれが完成車、あるいは駆動部品を製造している。
図 Daimlerのハンブルグ工場。Mercedes-Benzブランドの車両に搭載する駆動部品を製造している
出所 Daimler
現在、以上の8工場では電力会社から電力を購入しているほか、自家発電設備による電力も利用している。Daimlerの計画では、8カ所の工場に2022年から水力や風力など再生可能エネルギーで発電したと証明可能な電力を導入する。これで、8工場に必要な電力の3/4をまかない、残りの1/4は既設の高効率ガスコージェネレーションシステムで発電する。コージェネレーションシステムでは蒸気や熱水なども作り、CO2排出量を相殺するとしている。
そしてドイツ国内にあるMercedes-Benzの8工場は、すでにエネルギー節約に積極的に取り組んでいる。エネルギー管理システムを導入し、多様な尺度からエネルギー消費の場面を割り出し、休憩の間もエネルギー供給を止めるなどして、エネルギーを極力節約している。エネルギー節約についての従業員教育も実施しているという。
さらに、照明は消費電力量が少ないLEDに切り替え、ターボコンプレッサーを搭載した高効率な空調設備を導入している。ちなみにドイツの8工場はすべてエネルギー管理に関する国際標準である「ISO 50001」を取得しているという。
また、フランスのハンバッハにある「smart」ブランドの車両を製造する工場では、すでに再生可能エネルギーで発電した電力のみを使用しているという。そして、ハンガリーのケチケメートとポーランドのヤボルに新設しているMercedes-Benzの工場は、操業開始の時点からCO2ゼロの電力を使用するよう準備しているという。
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