旭化成は2018年5月22日、福島県相馬市にあるIHIの施設で太陽光の電力を利用した水素の製造を試験的に開始したと発表した。この施設は、IHIが2018年4月に開設した「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」(参考記事)。センター内にある出力1.6MW(1600kW)の太陽光発電所で発電した電力のみで大型水電解設備を駆動して、CO2を一切排出することなく水素を製造する。
図 水電解設備を設置した試験棟外観(左)。右は試験棟内部
出所 旭化成
水素の製造に使う水電解設備は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて旭化成が開発したものだ。電極面積が世界最大となり、これまでの研究ではエネルギー効率が90%を超えるという。最大水電解電力は120kWで、水素製造能力は最大で1時間当たり25Nm3。試験運転は2020年3月まで続ける。
旭化成は今回開始した試験運転で得られるデータなどを活かして、1基当たりの水電解電力が10MW(1万kW)ほどの大型水電解設備の実用化を目指すとしている。
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旭化成