東北電力は2018年5月30日、電気自動車(EV)内蔵の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)技術の検証を開始した。系統に接続したEV内蔵蓄電池を電力需給バランス調整に活用することを狙っている。実証の場所は仙台市内で、期間は2018年5月30日から2019年2月22日まで。
図 V2G技術検証時の機器構成
出所 東北電力
東北電力はこの検証に当たって、EVの充放電スタンドを通してEV内蔵蓄電池を遠隔から監視し制御するシステムを開発した。そして、このシステムを使ってEVの充放電スタンドへの接続状況を検知し、内蔵蓄電池の残量を監視する。残量に応じて蓄電池から充放電し、そのデータを収集する。
収集したデータを過去の太陽光・風力など再生可能エネルギーの発電実績データを合わせてシミュレーションを実施し、V2Gを電力需給バランス調整に活用できる可能性を探る。さらに、EVやV2Gを活用した新しい事業やサービスの実現可能性も検証する。この実証はさまざまな企業と連携して取り組むとしている。
今回の検証は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業(V2G アグリゲーター事業)」の採択を受け、補助金を活用して実施する。
東北電力は今後、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)などの先端技術を活用したサービスを提供するため、検討を続けるとしている。
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東北電力