Teslaは2018年6月5日(アメリカ西海岸時間)、同社がこれまでに設置してきた定置型蓄電池の蓄電容量合計値が1GWh(100万kWh)を超えたと同社のTwiterアカウントで明らかにした。2015年に定置型蓄電池「Powerwall」「Powerpack」を発表してから3年ほどでこの値に到達した。
図 TeslaによるTwitterへの投稿
We have now installed over 1 gigawatt-hour of energy storage across the globehttps://t.co/9PJhOFPy5Y
— Tesla (@Tesla) June 5, 2018
出所 Tesla
昨年、Teslaは同社の大規模蓄電池「Powerpack 2」を世界中に売り込み、大規模な蓄電施設の建設にこぎつけている。2017年7月には、オーストラリアの南オーストラリア州に立地する風力発電所のそばにPowerpack 2を大量に設置している。合計出力は100MW(10万kW)で、蓄電容量合計は129MWh(12万9000kWh)にも上る規模だ(参考記事)。
図 南オーストラリア州の風力発電所のそばに設置したPowerpack 2
出所 Tesla
また、2017年9月にプエルトリコを襲ったハリケーン“Maria”の被害者救済にもいち早く乗り出している。Mariaによって電力網が途切れ、電力が届かなくなった地域に太陽光発電モジュールと同社の定置型蓄電池を供給した。同社のCEOであるElon Musk氏は、プエルトリコに供給する蓄電池を生産する都合で、電動トレーラー「Tesla Semi」の発表が遅れると、同氏のTwitterアカウントに投稿している(参考記事)。
さらに、2017年5月にはバーモント州をサービスエリアとする電力事業者Green Mountain Powerと共同で、同州でVPP(Virtual Power Plant)サービスを開始している。VPP構築には家庭用定置型蓄電池Powerwall 2と、商業用大型定置型蓄電池Powerpack 2をサービスエリア内に設置する(参考記事)。
Powerwall 2やPowerpack 2が内蔵するリチウムイオン蓄電池セルは、Teslaがネバダ州スパークスに建設した巨大リチウムイオン蓄電池工場「Gigafactory」で、パナソニックが生産している。蓄電池の需要がこのまま上昇を続け、出荷台数が増加していけば、Gigafactoryで生産するリチウムイオン蓄電池セルに量産効果が生じ、価格がさらに下がるということも考えられる。そうなれば、定置型蓄電池だけでなく、電気自動車の価格も下がるかもしれない。
■リンク
Teslaのツイート