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スイスNestlé、スコットランドに風力発電所を開設―「再エネ電力を供給する義務がある」

2018/07/03
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

スイスNestléのイギリス法人は、スコットランドで建設中だった風力発電所を開設した。

スイスNestléのイギリス法人は2018年7月3日(グリニッジ標準時)、スコットランドで建設中だった風力発電所を開設した。この発電所はイギリスの風力発電関連業者であるCommunity Windpowerと共同で建設したもので、スコットランド南部のサンカ(Sanquhar)という町に立地している。

図 新たに開設した風力発電所

図 新たに開設した風力発電所

出所 Nestlé

Nestléはすでに、イギリスとアイルランドでは再生可能エネルギーで発電した電力のみを使用している。しかし「我々には、業務で再生可能エネルギー由来の電力を使用するだけでなく、その電力を作り出して供給する義務がある」(Nestlé UK and IrelandのCEOを務めるStefano Agostini氏)という考えから、この発電所を建設した。

今回開設した風力発電所は、9基の風力発電設備を持ち、最大出力は30MW(3万kW)に上る。NestléとCommunity Windpowerは、年間発電量をおよそ125GWh(1億2500万kWh)と見積もっている。この電力量はNestléがイギリスとアイルランドで消費する量のおよそ半分に相当するという。Community Windpowerの社長であるRod Wood氏は「スコットランドの陸上風力発電所は多くの発電量を期待できる。今回発電所を建設したサンカの町では45%以上の設備利用率を期待できるだろう」とコメントしている。

この発電所で発電した電力は、送電網を通して周囲の一般世帯に供給される。年間発電量の見積もりから考えると、3万世帯が消費する電力量を十分にまかなえるという。Nestléは世界最大の食品飲料メーカーだ。その影響力は大きく、世界中に及ぶ。この点についてRod Wood氏は「Nestléのような大きな影響力がある企業が地球環境保護に向けて行動することは素晴らしいことだ」と、この動きがほかの世界的な企業にも波及することを期待するコメントを残している。


■リンク
Nestlé UK and Ireland
Community Windpower

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