スイスNestléのアメリカ法人であるNestlé USAは2018年2月12日(アメリカ東部標準時)、15年契約で風力発電所の電力を購入すると発表した。購入契約はスペインEDP Renewablesのアメリカ法人と締結し、同社がインディアナ州で運営している風力発電所「Meadow Lake Wind Farm」が発電する電力50MW分の供給を15年間受ける。Nestlé USAはこの契約により、エネルギーにかかるコストを削減し、化石燃料の価格変動による影響を抑えることができるとしている。
図 「Meadow Lake Wind Farm」に建つ風力発電設備
出所 EDP Renewables
Meadow Lake Wind Farmで発電した電力は、送電事業者であるPJM Interconnectionの送電網を通して、ペンシルバニア州にあるNestlé USAと、その関連会社の施設に送る。Nestlé USAはこの電力を、Nestlé Purina PetCare、Nestlé Waters North Americaの3社の施設5カ所で消費する。この電力で5施設で消費する電力のおよそ80%をまかなえるとしている。また今回の電力購入で、Nestléグループのアメリカにある拠点で消費する電力のおよそ20%を再生可能エネルギー由来の電力が占めることになる。
Nestléは、再生可能エネルギーのみで事業を運営することを目指す世界的な企業連合「RE100」に加盟しており、2020年までに、生産する商品1トン当たりのCO2排出量を2010年比で35%削減する目標を掲げている。
ちなみに、今回Nestléに電力を供給することが決まったMeadow Lake Wind Farmは、工期によってI~IVまでの4つのエリアに分かれている。Nestléは、そのうちのIVエリアから電力供給を受ける。ちなみにエリアIの最大出力は199.65MW(19万9650kW)で、エリアIIは99MW(9万9000kW)、エリアIIIは103.5MW(10万3500kW)、エリアIVは98.7MW(9万8700kW)。合計出力は500.85MW(50万850kW)にもなる巨大風力発電所だ。さらに、追加で風力発電設備を設置し、合計出力を800MWとする計画も進んでいる。