東北電力は2018年7月11日、情報通信技術などを活用したサービスを検証に取り組む「よりそうスマートプロジェクト」を開始すると発表した。このプロジェクトでは、コミュニケーションロボットを活用したサービスを検証するほか、スマートメーターを活用したサービスも検証する。スマートメーターで計測した世帯全体の電力消費量を分析し、個々の家電製品ごとの電力消費量を推定するサービスだ。
図 スマートメーターが計測する電力消費量値から、家電ごとの電力消費量を推定する
出所 東北電力
一般的な電力メーターでは、世帯全体の電力消費量の累積値しか計測できないが、スマートメーターは世帯全体の30分ごとの電力消費量を計測できる。データは、電力会社のサーバーに自動的に送信する。今回は、このデータを分析して一般世帯にある家電1台1台の電力消費量を推定する。データを分析するシステムは三菱電機と共同で開発している。
今回検証するサービスでは、家電ごとの電力消費量を推定したら、その結果から電気料金削減につながるアドバイスを電子メールやLINEで送信する。例えば、多くの電力を消費する家電製品は、電気単価が安い夜間に使用したほうがよいといったアドバイスを送る。具体的に削減できそうな額もメッセージに入れる予定もある。
今回の検証は2019年8月末まで実施する予定。東北電力は現在、特設Webサイトで参加希望者を募集している。応募対象は、東北電力の会員サービス「よりそうeねっと」の会員。定員は100名を予定しており、応募者数が定員を超えたら抽選で参加者を決める。
ちなみに東北電力は2015年1月から低圧契約者を対象にスマートメーターの設置を開始している。検定有効期間が満了となるメーターから順次スマートメーターに交換していき、新築住宅など、新たに電気を利用し始める世帯にもスマートメーターを設置する。スマートメーターへの交換は2023年度末までに完了する予定だ。
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東北電力