Appleは2018年7月12日(アメリカ西海岸時間)、中国における再生可能エネルギーの普及を目指す基金「China Clean Energy Fund」を設立したと発表した。この基金はドイツ銀行系列の資産運用会社であるDWS Groupが管理する。基金にはAppleのほか、協力業者10社とDWS Groupが投資し、その総額は今後4年間で3億ドル(336億円:1ドル=112円で換算)近くに達するとしている。
図 Appleの協力企業が四川省で運営している太陽光発電所
出所 Apple
この基金は、中国国内で再生可能エネルギー発電所を建設するプロジェクトに投資する。さらに、基金が主導して発電所を建設するともしている。発電所の建設を促進して、基金の出資企業が中国国内で再生可能エネルギーをより容易に利用できる環境を作ることが狙いだ。基金の活動によって、今後4年間で出力合計1GW(100万kW)を超える再エネ発電所を設立するとしている。中国の一般世帯の消費電力量にして、100万世帯分を発電する規模だという。
Appleは2018年4月に同社が全世界の拠点で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来のものに転換したと発表している(参考記事)。さらに2015年から、同社に部品を供給する企業が再生可能エネルギー由来の電力を使用するよう支援する「Supplier Clean Energy Program」を全世界で展開しており(参考記事)、10カ国、23の企業が参加している。このプログラムに参加している企業とAppleは世界各地に再エネ発電所の建設を進め、その規模は2020年までに出力合計で4GW(400万kW)を超える予定だという。今回の基金設立はAppleの環境保護活動をさらに推し進めるものとなる。
ちなみに、基金設立に参加した企業は台湾Catcher Technology、台湾Compal Electronics、アメリカCorning、台湾Golden Arrow、アメリカJabil、中国Luxshare-ICT、台湾Pegatron、ベルギーSolvay、中国Sunway Communication、台湾Wistronの10社。
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