Appleは2018年4月9日(アメリカ西海岸時間)、世界43カ国の拠点すべてで消費する電力が100%再生可能エネルギー由来のものになったと発表した。世界中で運営しているオフィス、直営店、データセンター、共用施設で消費する電力すべてが100%再生可能エネルギーで発電したものになった。その象徴となるのが、カリフォルニア州クパティーノに開設したばかりの新本社「Apple Park」だ。出力合計17MW(1万7000kW)の太陽光発電設備を屋根に設置し、出力4MW(4000kW)のバイオガス燃料電池などの複数の再生可能エネルギー源で電力を賄っている。
図 新本社「Apple Park」の屋根には、出力合計17MWの太陽光発電設備が備わっている
出所 Apple
Appleは世界25カ所で再生可能エネルギーを活用した発電所を運営しており、合計出力はおよそ626MW(62万6000kW)に達する。さらに15カ所で発電所を建設中で、稼働が始まれば出力合計値は1.4GW(140万kW)に達するという。
2017年8月には、アイオワ州ウォーキー市に新しいデータセンターを建設する計画を発表した。このデータセンターは2020年の稼働開始初日から100%再生可能エネルギー由来の電力で運営できる態勢を整えている(参考記事)。デンマークでも新しいデータセンターを2カ所で建設中だが、どちらも稼働開始初日から100%再生可能エネルギー由来の電力で運営できるという。
またAppleは、同社に部品や材料を納める業者にも、Apple製品の製造には100%再生可能エネルギー由来の電力を使うように呼びかけている。日本でも、Appleに半導体パッケージを納めているイビデンがApple向け部品を製造するラインをすべて100%再生可能エネルギー由来の電力で運営している(参考記事)。そして今回の発表に合わせて、新たに9社がApple向け製品を100%再エネ電力で製造を始めたと発表した。
図 イビデンが運営している水上メガソーラー
出所 Apple
Appleと同社に材料を供給する業者が再生可能エネルギーを活用することで、2017年には世界合計でCO2排出量を150万トン以上削減したという。これは、地球上から30万台以上のガソリン車を排除するのと同じ効果になる。さらにAppleは85社以上の業者が再生可能エネルギー由来の電力を利用できるよう支援するとしている。
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