世界的大手石油商社であるスイスVitolと、イギリスで再生可能エネルギー関連の投資を手がけるLow Carbonは2018年7月17日(ヨーロッパ中央時間)、再生可能エネルギーを利用した発電所の建設などに投資する基金「VLC Renewables」を設立したと発表した。イギリス王室属領であるジャージー代官管轄区に基金の本部を置き、2億ユーロ(262億円:1ユーロ=131円で換算)から資金運用を始める。
図 VLC Renewablesのロゴマーク
出所 Vitol
投資対象は、ヨーロッパ圏内の再生可能エネルギーを利用する発電所。計画段階から参加することもあれば、建設段階、運用段階など、さまざまなタイミングで参加し、資金を投資するとしている。当面はヨーロッパの陸上、洋上の風力発電所に投資していく方針を示している。
Vitolの投資責任者であるSimon Hale氏は「2025年までにヨーロッパ全域で消費する電力のおよそ27%は、風力と太陽光で発電したものになる見込みだ。当社はヨーロッパのエネルギー市場でも有数の規模を誇る企業だ。そして、世界中でエネルギー関連設備に投資している。Vitolは既存事業を補完するために、再生可能エネルギー関連設備に投資していく」と、再エネ基金設立の動機について語った。
Vitolは年間におよそ3億9400万トンの原油や関連製品を販売しており、2017年の総売上高は約1810億ドル(20兆4530億円:1ドル=113円で換算)に上る。
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