スペインForestalia社は2017年5月18日(現地時間)、スペイン政府の「産業・エネルギー・観光・情報通信省(Ministry of Energy, Tourism and Digital Agenda)」から、新たな風力発電所の建設許可を得たと発表した。建設場所はスペイン東北部のアラゴン州。合計出力が1.2GW(120万kW)となる巨大風力発電所を建設する。完成すれば、ヨーロッパ最大の風力発電所となる。
Forestalia社は今回の認可の前に、同じアラゴン州に合計出力が408.5MW(40万8500kW)となる風力発電所の建設許可を得ている。そして、両方の風力発電所に設置する風力発電設備として、フランスGE Renewable Energy社の製品を選び、供給契約を交わした。
GE Renewable Energy社は、今回の契約で同社の出力3MW(3000kW)の風力発電設備を提供するとしている。そしてその設備はヨーロッパにある拠点で製造する。風力タービンはドイツ・ニーダーザクセン州ザルツベルゲンの工場で製造し、風車の羽根はデンマークLM Wind Power社が製造する。LM Wind Power社は、2017年にGE Renewable Energy社が買収した企業で、スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州のポンフェラーダと、バレンシア州のカステリョン・デ・ラ・プラナで工場を運営している。そして、スペイン・ガリシア州アス・ポンテスにあるGE Renewable Energy社のサービスセンターが必要に応じて支援するという。
図 GE Renewable Energy社の陸上設置用風力発電設備。1台当たりの出力は3MW
出所 AT&T
国際エネルギー機関(International Energy Agency:IEA)が2014年に実施した調査によると、スペインにおける風力発電設備の設備利用率は平均で25.4%。単純に計算すると、Forestalia社が建設する出力1.2GWの巨大風力発電所は、年間でおよそ2.67TWh(26億7000万kW)もの電力を発電することになる。GE Renewable Energy社の社長兼CEOであるJérôme Pécresse氏は、「今回のForestalia社の建設計画に参加できて光栄だ。発電所が完成したら、スペインにおける再生可能エネルギー導入率が上がるだけでなく、ヨーロッパにおける再生可能エネルギー由来の電力のコスト競争力がより上がるだろう」とコメントを残している。