Robert Boschは2018年8月16日(中央ヨーロッパ時間)、バン型の電気自動車(EVバン)に向けた駆動機構「eCityTruck」を発表した。駆動用モーターと変速機構を組み合わせたものと、モーターだけのものの2種類を発売する。重量が2トン~7.5トンのバンに対応する。Boschによると、ドイツでは商用車の3/4がバンであり、今回の新製品が大きな市場を狙えるという。eCityTruckを搭載した車両は2019年に市場に登場する予定だ。
図 EVバンに向けた駆動機構「eCityTruck」
出所 Robert Bosch
BoschはeCityTruckの主用途として宅配用バンを想定している。Boschによると、物流センターから送り先に届ける荷物を載せて走る車両には、バンを使う例がほとんどだという。そして、宅配用バンをEVにすることでさまざまなメリットが得られるとしている。
図 「eCityTruck」を搭載した宅配用EVバンのイメージ
出所 Robert Bosch
まず宅配用バンは、交通渋滞や連続する信号で発進と停車を何度となく繰り返すものだ。ガソリン車では燃料を消費し、排ガスを放出し続けるだけだが、EVバンならブレーキ時に得られる回生エネルギーを車両内蔵蓄電池に充電してエネルギーとして利用でき、効率が良い。EVはガソリン車に比べて航続距離が短いが、ほとんどの宅配バンの1日当たりの走行距離は80km以下であり、EVは宅配用途に問題なく使えるとしている。
また、EVバンは走行時に音を発しないため、夜間に走行しても騒音の問題を起こすことはない。宅配業者はEVバンを利用すれば、夜間のより遅い時間帯を指定した配達サービスなど、新しいサービスを提供できる可能性がある。
Boschは現在、アメリカNikola Motorと共同で大型EVトレーラーに向けた駆動機構を開発している。そして、宅配用車両や大量輸送用トレーラーなどがEVに切り替わる時期を2020年以降と見ており、その時期に間に合うように各種物流EVの駆動機能を用意するとしている。
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Robert Bosch