九州電力は2018年8月29日、電力取引に関連するソフトウェア技術を開発しているベンチャー企業「デジタルグリッド株式会社」(東京都千代田区)に出資したと発表した。デジタルグリッドは2017年10月設立のベンチャー企業で、ブロックチェーンを活用した電力取引を可能にするソフトウェア技術を開発している。
図 デジタルグリッドの技術を利用すると、どの発電所で発電した電力をどこにどれだけ供給したかの記録を残せる
出所 九州電力
デジタルグリッドの技術を利用する際には、参加するすべての発電設備と需要家拠点に電力を測定する機器を設置する。これで、電力が「いつ」「どこから」「どこに」「どれだけ」流れたかを識別でき、その記録をブロックチェーンに記録する。デジタルグリッドはこの技術を活用して電力と環境価値を取引できる基盤を構築し、2019年10月から商業サービスの提供を予定しているという。
九州電力は、現在の大規模な発電所の存在を前提にした電力供給網の形が変わっていく可能性があると見ているという。大規模発電所に頼らず、小規模な発電設備や蓄電池を分散配置して活用する「分散型」になる可能性があるとして、分散型電源環境で展開する新たな事業やサービスを開発するために、デジタルグリッドの技術的知見を取得していく方針を示している。
九州電力は今後もベンチャー企業やベンチャーキャピタルと協力して、新たなサービスの開発に向けた技術革新を積極的に進めていく考えだ。
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九州電力