昭和シェル石油、西部石油、横河ソリューションサービスの3社は2018年9月6日、製油所に備え付けの発電設備などを活用してVPP(Virtual Power Plant)を構築する実証事業を実施すると発表した。製油所の設備を活用してVPPを構築する実証事業は、これが国内初となる。実証事業は2018年秋から開始の予定。
図 西部石油の「山口製油所」
出所 西部石油
実証の場となる製油所は、西部石油の「山口製油所」(山口県山陽小野田市)。この製油所にデマンドレスポンスに対応するためのシステムを新設する。横河ソリューションサービスは、関西電力かわデマンドレスポンスの信号を受信し、その信号を発動時間帯や需給調整量などを示すデータに変換して山口製油所に新設するシステムに送信する。データを受信したシステムは、山口製油所の稼働状況に合わせて供給可能な電力量や、節約可能な電力量を算出し、返信する。さらに、山口製油所にある自家発電設備(ボイラー、蒸気タービンなど)を制御して製油所の外部からの受電量を抑えて、デマンドレスポンス要請に応える。
図 関西電力からのデマンドレスポンス信号を受けて、山口製油所の自家発電設備を制御する
出所 昭和シェル石油
昭和シェル石油は、実証事業全体を管理し、山口製油所の生産量への影響を考慮しながら自家発電設備の運用条件を分析し、最大限活用する方法を検討する。また、今回の実証では製油所の設備にIoT端末を設置し、より詳細なデータを収集して製油所全体をVPPとして最大限活用することを目指す。
この実証事業は、経済産業省資源エネルギー庁の2018年度「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業費補助金」のVPPアグリゲーター事業およびVPPリソース導入促進事業の一環として実施する。