マクニカは2018年10月26日、エッジコンピューティング端末「SENSPIDER」を新たに開発したと発表した。マクニカはこの製品を「広帯域振動センサーなどの高精度なアナログセンサーデータを取得して、AI(人工知能)で解析し、判定結果を出力できるかつてない製品」としている。11月1日から注文受付を始める。価格はオープン。
図 マクニカが新たに開発したエッジコンピューティング端末「SENSPIDER」のイメージ。アナログセンサー向けの接続端子が本体前面に並ぶ
出所 マクニカ
SENSPIDERが備える主な機能は以下の3つ。1つ目はアナログセンサーからのデータをデジタルデータに変換する機能。2つ目はデジタル変換したデータを蓄積する機能、3つ目は蓄積したデジタルデータをAIで解析し、異常を検知する機能。データを蓄積する際には、AIによる解析に必要なデータを選び出して蓄積する。
本体前面左側にある、アナログセンサー用接続端子は拡張ボードとなっており、目的に応じて入れ替え可能。発売時には「汎用電圧電流センサIFボード」「高速振動センサーIFボード」「温度センサーIFボード」の3種類の拡張ボードを用意する。3種類ともそれぞれ2チャンネルの入力に対応している。拡張ボードからの信号を受けるSENSPIDERは合計で8チャンネルまで対応可能。
ユーザーはこの製品と必要な拡張ボードを揃え、AIアルゴリズムなどのエッジ処理の機能を改造、拡張することで、アナログセンサーを利用した異常検知、予知保全が可能になる。
そしてSENSPIDERはEthernet端子を備えており、収集したデータをEthernetでつながったパソコンに転送できる。ユーザーは付属のWindows向けサンプルソフトウェアでデータを確認できるほか、IIUの波形分析ソフトウェア「Sigma」と連携させて、リアルタイムで波形品質を確認できる。
図 「SENSPIDER」はEthernetでパソコンと接続すると、収集したデータを転送できる。パソコン上のソフトウェアで波形分析なども可能になる
出所 マクニカ
さらに、コアコンセプト・テクノロジーの工場向けデータ処理ソフトウェア「Orizuru」との連携で、CNC、PLC、ロボットなどの機器から収集したデータと、外部センサーデータを組み合わせることが可能になる。これで、産業用データ通信の標準規格である「OPC UA」(OPC Unified Architecture)を利用したサービス間でのデータ連係が可能になり、工場の各種設備が発する各種データを活用できるようになる。
マクニカは今後、SENSPIDERにSDカードやUSBメモリにデータを蓄積する機能や、CSV形式でデータを記録する機能、遠隔地からWebブラウザーで機能を設定するユーザーインターフェイスなどの機能を追加していく予定を明らかにしている。
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