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清水建設、長野県で木質バイオマス発電事業を開始―2MW級の発電所が2020年に完成予定

2018/11/30
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

清水建設は、長野県で木質バイオマス発電所の建設を開始したと発表した。2020年5月末に完成の予定。

清水建設は2018年11月30日、長野県で木質バイオマス発電所の建設を開始したと発表した。2020年5月末に完成の予定。設計・施工は清水建設自身が手がけ、発電設備は三菱日立パワーシステムズインダストリーから、木質チップ加工設備は富士鋼業から供給を受ける。清水建設が2018年6月に100%出資で設立した「信州ウッドパワー株式会社」が発電事業を担当する。また、信州ウッドパワーは今回の工事開始前に、発電所建設用地の売買契約を締結するなど準備を進んできた。長野県内で森林保全などの取り組む長野トヨタ自動車も共同事業者として信州ウッドパワーに資本参加する。

図 清水建設が長野県で建設を始めた木質バイオマス発電所の完成イメージ

図 清水建設が長野県で建設を始めた木質バイオマス発電所の完成イメージ

出所 清水建設

発電所の所在地は長野県東御市羽毛山(とうみしはけやま)の羽毛山工業団地内。敷地面積は1万9389m2で、建築面積は935m2。発電所の出力はおよそ2MW(1990kW)。清水建設は年間発電量を日本の一般世帯の年間消費電力にして約4500世帯分と見積もっている。

長野県は、県のおよそ8割を森林が占めるほど森林資源が豊富な県だ。清水建設は森林保全と森林資源を無駄なく有効活用することを目的に、木質バイオマス発電所の建設地として長野県を選んだ。また、長野県ではマツクイムシの被害が拡大しており、被害に遭った木材を処理しながら、有効活用できるという狙いもあるという。

燃料には、森林から発生するカラマツ、アカマツ、スギなどの間伐材や未利用材を木質チップに加工したものを使用する。燃料をより有効に活用するために、発電所の隣接地に木材置き場とチップ加工設備を設置する。さらに、加工して貯蔵しているチップを発電設備に自動的に投入する設備を整え、燃料供給作業を自動化し、担当者が深夜、休日に人手で燃料を供給する必要をなくした。

発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して中部電力に全量売電する。売電単価は40円(税別)。清水建設は長野県内でさらに木質バイオマス発電所を建設することも検討しているという。


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清水建設

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