日本航空、丸紅、海外交通・都市開発事業支援機構の3社は2018年9月20日、アメリカのバイオジェット燃料製造会社であるFulcrum BioEnergyに出資すると発表した。Fulcrum BioEnergyは一般廃棄物をガス化してバイオジェット燃料を生成する技術を開発し、燃料を製造するプラントを建設中。
図 Fulcrum BioEnergyのバイオジェット燃料製造施設。左が一般廃棄物前処理施設で右がプラント
出所 日本航空
バイオジェット燃料は、化石燃料から製造したジェット燃料に比べてCO2排出量が少ない。国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)は国際航空分野でCO2排出量を削減していく方針を示しており、バイオジェット燃料の利用はこの方針に合致している。
Fulcrum BioEnergyはネバダ州リノですでに一般廃棄物前処理施設を稼働させており、現在はその施設の近隣に燃料製造プラントを建設している。Fulcrum BioEnergyは両施設を合わせて「Sierra Biofuels Plant」と呼んでいる。プラントは2020年に稼働開始の予定で、航空会社への燃料供給は2021年開始の見込みだ。
一般廃棄物前処理施設は年間に17万5000トンの一般廃棄物を処理する能力がある。そして、2020年に稼働開始予定のプラントは年間に1050万ガロン(約3975リットル)の原油を生成できるようになる予定だ。プラントで製造した原油を加工してバイオジェット燃料として利用する。Fulcrum BioEnergyは「Sierra Biofuels Plant」に続く施設を北米やヨーロッパに建設する予定を立てている。
日本でも2030年までにバイオジェット燃料を普及させる取り組みが始まっているが、日本航空はできるだけ早く国内空港でもバイオジェット燃料を利用できるよう行政機関や国内企業と協力して普及を進めるとしている。