三井E&Sエンジニアリングとウェンティ・ジャパンは2018年12月19日、富山県で計画していた洋上風力発電所の建設を決定した。所有者も用途の指定もない「一般海域」に洋上風力発電所を建設するのはこれが日本で初めての例となる。両社は、地元自治体から海域の利用許可を得た上で、地元住民や漁業関係者への説明を重ねて、建設に向けて同意を得た。
図 三井E&Sエンジニアリングとウェンティ・ジャパンが建設を予定している洋上風力発電所の完成イメージ
出所 三井E&Sエンジニアリング
発電所の建設予定地点は富山県下新川郡入善町(しもにいかわぐんにゅうぜんまち)の富山湾沿岸から600~800m沖。建設工事は2020年春に開始し、2021年1月に稼働開始の予定だ。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)は三井E&Sエンジニアリングが担当する。導入する風力発電設備は選定中。三井E&Sエンジニアリングとウェンティ・ジャパンは、入善町内に発電所の運営を担当する事業会社を共同出資で設立する準備を進めている。
発電所には出力2MW(4000kW)級の風力発電設備を4基設置する。合計の最大出力は約7.5MW(7495kW)の予定。年間発電量の見積もりについては、具体的な数値は公表していないが、一般世帯の年間電力消費量にするとおよそ4000世帯分になるという。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、全量を北陸電力に売電する。売電単価は1kWh当たり36円(税別)。
また、この洋上風力発電所は日本で初めて100%民間資金で建設するものになるという。北都銀行を主体とした地元金融機関の協力を得て資金を調達する。