スペインのエネルギー大手であるIberdrolaは2019年2月6日(中央ヨーロッパ時間)、世界的なスポーツ用品大手であるNikeに電力を供給する契約を締結したと発表した。契約期間は3年。Iberdrolaがスペイン北部のナバラ州に建設を予定している風力発電所「Cavar Wind Complex」で発電した電力を供給する。発電所はまもなく建設を始め、2020年には完成する予定。そのときの合計最大出力は111MW(11万1000kW)となる。Nikeはこのうち40MW(4万kW)を購入し、ヨーロッパにおけるNikeの拠点で消費する。
図 Iberdrolaがスペイン北部、ナバラ州の隣に位置するバスク州で運営している風力発電所
出所 Iberdrola
両社はIberdrolaの子会社であるアメリカAvangrid Renewablesを通して、これまでにアメリカで風力発電所の電力を購入する契約を2回締結している。テキサス州にあるKarankawa Wind Farmから100MW(10万kW)分を購入し、この電力で北米にあるの同社の施設を運用している。さらに、オレゴン州の本社で消費する電力としてオレゴン州の「Leaning Juniper Wind farm」とワシントン州の「Juniper Canyon Wind Farm」から合計で69MW(6万9000kW)分を購入している。これでNikeは本社も含め、北米の全施設を100%再生可能エネルギー電力で運営できるようになった。
今回Nikeがiberdrolaと交わした契約によって、Nikeはヨーロッパに持つ拠点の一部を再生可能エネルギー電力で運用できるようになった。Nikeは2020年までに、ヨーロッパにある全施設を100%再生可能エネルギー電力で運営する目標を掲げている。この目標を達成すると、世界中にあるNikeの拠点の75%を再生可能エネルギー電力で運用できることになるという。
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Iberdrola