丸紅は2019年2月20日、アメリカLO3 Energyと共同で、日本国内において電力取引の実証実験を実施すると発表した。LO3 Energyは、ニューヨーク市ブルックリンで個人同士の電力取引を可能にした「Brooklyn Microgrid」を開設した企業だ。その後、2018年4月には、テキサス州で企業向けの電力取引基盤の提供を始めている(参考記事)。LO3 Energyはどちらにも、ブロックチェーンを活用した電力取引基盤「Exergy」を利用している。丸紅は今回の実証実験にブロックチェーンを活用することを明らかにしているが、LO3 Energyと共同で実施することから、Exergyを使用する可能性が高いと考えられる。
図 「Brooklyn Microgrid」では、スマホの専用アプリを操作して電力を取引する。自宅に太陽光発電システムを持つ世帯は、スマホの操作だけで発電した電力を売ることもできる
出所 LO3 Energy
丸紅は今回の実証実験で、国内複数カ所に存在する丸紅グループの施設と、丸紅新電力の顧客施設を電力消費者と想定する。発電源は丸紅が国内に所有する発電所だ。どちらにもブロックチェーンへの記録に対応した電力メーターを設置する。電力消費者は発電源が発電した電力をスマホの専用アプリを操作することで購入できる。ただし、今回の実証実験ではあくまでブロックチェーンを活用した取引の実証を目的としているため、電力売買のやり取りは仮想的なものにして、実際に電力をやり取りすることはない。
ちなみに、今回の実証実験はLO3 Energyにとって初めてのアジア進出になるという。丸紅は今回実施する実証実験で、ブロックチェーンを活用した事業に関するノウハウを蓄積し、再生可能エネルギーの普及や、新しい商品やサービスの開発を目指すとしている。
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