冒頭、挨拶に立ったアドバネット代表取締役CEO内藤 眞氏(写真1)は、「当社は、マイクロコンピュータシステムのハードウェア、ソフトウェア開発・設計など組込みビジネスを取り組んできたが、2007年にイタリアに本社があるグローバル企業「Eurotech」と7年余前に統合した。当社が成功してきた組込みビジネスを海外に展開し、一方、Eurotechが昔から開発していたクラウド環境でのM2Mビジネスを新ビジネスとして日本で展開していくことになった」と語った。
次に、Eurotechマーケティング責任者ロバート・アンドレス氏(写真2)はEurotechグループのM2M/IoTの今後の取り組みを、事例を紹介しながら詳説した。
ここでは、特に、同社のM2M/IoTプラットフォームであるEveryware Software Framework(ESF)を中心に紹介する。
Eurotechが提供する製品と各種ソリューション
Eurotechは、組込み系のコンピュータ市場では、国際的にもトップクラスであり、日米欧にビジネス拠点を置いている。グローバルなビジネス展開では、日本、米国、欧州の順に各地域の売り上げを伸ばしている。
最近では、M2Mが話題になっているが、機械(Machine)と機械(Machine)同士が通信し情報をシェアする形態は、20年以上も前から存在しており、同社も取り組んできた。
現在、M2M時代を迎えてEurotechでは、図1に示す、
- 工業・商業分野(ビルオートメーション、自動販売機、スマートグリッドなど)
- 物流(ロジスティック)とネットワーク(RFID、ウェアラブルデバイスなど)
- 医療・健康分野(高機能診断装置、ポータブル医療デバイスなど)
- セキュリティ・監視分野(銀行や産業、国の安全保障など)
- 防衛・航空分野〔装甲車両、無人飛行機・無人車両(UVGs)など〕
- 輸送・移動(公共バス、列車・地下鉄、デジタルサイネージなど)
の各M2Mソリューションを重視して、ビジネスを展開している。
図1:ユーロテック社の製品ポートフォリオ(分類)と各特定市場(バーティカル)ソリューションの統合
これらのソリューションは、同社が開発した4つの層で構成されるM2Mスタック(後出の図3のアーキテクチャ)に基づいて提供されている。
また、現在、Eurotechの製品ポートフォリオとしては、
- 高性能コンピューティング
- 各種のボードやモジュール類
- 各種デバイスやシステム
- 付加価値を重視したソフトウェアとサービス
を中心に提供しており、これらを基本にして、各分野(バーティカル)のアプリケーションソリューションが提供されている。
項目 | 内容 |
---|---|
設立 | 1981年7月3日(「株式会社アドバンストシステム」として設立) |
本社 | 〒700-0951 岡山市北区田中616-4 電話:086-245-2861 (東京支社:〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町3-5-2 KDX鍛冶町ビル4F 電話:03-5294-1731) http://www.advanet.co.jp/profile/index.html |
代表取締役社長 | ルドヴィコ・チフェッリ(Ludovico Ciferri) 代表取締役CEO:内藤 眞 |
資本金 | 7,244万円 |
2007年11月 | ユーロテックグループの一員になる(Eurotech、本社:イタリア・アマロ市。1992年創立。グループ全体354名、2013年12月時点) http://www.eurotech.com/jp/about+eurotech/ |
2013年8月 | ユーロテック社が提供するM2Mソリューションおよびシステム製品の拡販にフォーカスする「ユーロテックシステムビジネスユニット」を新設 |
主な事業 | 各種産業用ボードコンピュータおよびファームウェア開発などによって、半導体、交通インフラ、医療、通信等の高信頼性が要求される産業分野に製品を提供。 今後これらをベースにIoT/M2Mビジネスも展開。 |