2015年9月15日、JX日鉱日石エネルギー株式会社(以下:JX日鉱日石エネルギー、東京都千代田区、代表取締役社長:杉森務)は、同社のグループ会社である鹿島石油株式会社の鹿島製油所(所長:青山信博)において「溶剤脱れき装置」(以下:SDA装置)、およびSDA装置を活用した発電設備の試運転を開始したことを発表した。
同SDA装置は、石油精製の過程で生成する重質油を、「脱れき油」と超重質な抽出残渣(以下:SDAピッチ※)に分離する。脱れき油は、分解することで付加価値の高い石油化学製品原料や軽油製品を増産できる。SDAピッチは、新たな自社電源として鹿島北共同発電株式会社から取得・改造したボイラ・タービン発電設備の燃料として使用される。発電された電力は、業務用、産業用および2016年4月に販売を予定している家庭用電力「ENEOSでんき」として販売される。設備の概要は次の通り。
◆設備概要
1.溶剤脱れき装置(SDA:Solvent De-Asphalting)(新設)
建設地 | 鹿島石油株式会社 鹿島製油所(茨城県神栖市東和田4番地) |
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装置処理能力 | 1.8万バーレル/日 |
商業運転開始 | 2015年10月(予定) |
2.ボイラ・タービン発電設備(鹿島北共同発電株式会社より購入・現地改造)
建設地 | 鹿島北共同発電株式会社(茨城県神栖市東和田16番地) |
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発電出力 | 12.5万kW |
商業運転開始 | 2015年12月(予定) |
※重質油留分から、灯油や軽油などの原料となる軽質油留分を抽出した後の副生物。常温(15℃)では固体だが、加熱(200℃程度)することで液体化させ、粘度調整用の基材を混合した後、ボイラ燃料として使用する。
■リンク
JX日鉱日石エネルギー