トヨタ自動車は2017年11月17日、インドと中国で電気自動車(EV)を発売すると発表した。インドではスズキとEVを共同で開発し、スズキのインド工場で生産する車両の供給を受けて、2020年ごろに発売する。中国では、2020年にトヨタ自動車が開発製造する車両を発売する。中国向けの車両は中国国内で生産すると考えられる。
インドでは、同国の市場に向けてスズキが開発するEVに、コネクティッド技術(車載無線通信技術)の面で技術支援する。その結果完成したEVはスズキがインドの工場で生産し、トヨタ自動車はこの車両の供給を受けてトヨタ車として販売する。さらに、インドでのEV普及の素地を作るために、充電ステーションの整備や販売店のサービス技術者の教育などの人材育成、使用済み蓄電池を適切に処理する体制を整備に、両社で取り組む。
中国ではトヨタ自動車自身が開発するEVをトヨタ自動車が販売する。どのような車種を開発するのか、どこで生産するのかといった点については、まだ検討中とのことだが、車両は中国国内の工場で生産するものと考えられる。
さらに中国では、合弁相手の第一汽車と広州汽車が開発するEVの供給を受けることも検討している。第一汽車が開発したEVを販売するなら、合弁で設立した一汽豊田から発売し、広州汽車が開発したEVを販売するなら、合弁企業の広汽豊田から発売するとしている。
中国では燃料電池車(FCV)の応用範囲を広げることを検討する。現在トヨタ自動車は、江蘇省常熟市に設立した研究開発拠点Toyota Motor Engineering & Manufacturing(China)Co., Ltd(TMEC:トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社)に水素ステーションを建設し、10月から同社のFCV「MIRAI」を2台運用して実証実験を進めている(参考記事)。
図 江蘇省常熟市の研究開発拠点「TMEC」内に開設した水素ステーションと、FCV「MIRAI」
出所 トヨタ自動車
トヨタ自動車は日本では燃料電池バス「FCバス」を実用化し(参考記事)、アメリカのロサンゼルス港では燃料電池で動作する大型トラックの実証実験を続けている(参考記事)。中国でもバスなどの商用車に燃料電池を応用する可能性を探っていくとしている。